チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年5月4日
ジェクンド地震発生より三週間目の今日
今日でジェクンド(キグド)地震から3週間がたった。
仏教では人は死んだ後、最長49日の内に、次の生を得るとされる。
チベットでは亡くなった者たちの良き来生を願って、死後一週間ごとに祈願法要を行う。
そういうことで、今日は亡命政府の呼びかけにより、ブータン、ネパール、インド各地のチベタン・キャンプ、及び世界中のチベット人コミュニティーにおいて、まず、地震が発生した朝7時49分に犠牲者の冥福を祈り一分間の黙祷を捧げ、その後モンラム(祈祷法要)が行われた。
ダラムサラでは、ツクラカンにダライ・ラマ法王が7時半過ぎ、お出になられた。
7時49分ちょうどに黙祷。
その後首相の短いスピーチがあった。
「この法要は被災者たちへ我々の共感、連帯を示すものだ」と話され、
さらにスピーチの中で首相は
「今回の地震の実際の犠牲者数は、中国当局が発表した数字を大幅に上回る」と指摘した。
法王はご覧のように、今日も本尊であるブッダシャカムニに向かわれ、一心に祈りをささげておられた。
今日は法王のお話はなかった。
以下、今日の法王と法要風景。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)