チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年4月13日

ニャロンで僧侶逮捕/セルタで学生がデモ/アバで3人に刑期・最長13年

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4月12日付パユル
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27104&article=China+arrest+2+in+Nyagrong+and+Machu%2c+students+protest+in+Sertha
<カム、ニャロン(新龍)、バイクでデモを行なった僧侶が逮捕>

カム、ニャロンの中国当局は、デモを行なったとしてグル僧院の僧侶アボ・タシ22歳を逮捕した。
アボ・タシは他の3人のチベット人、ツェリン・ギェルツェン19歳、グル僧院僧侶ツェリン・ワンチュク22歳、ジャムチョック僧院僧侶リンジン・ドルジェっと共にバイクに乗り、禁止されているチベット国旗を掲げ、「ダライ・ラマ法王の御帰還を!」「チベットに自由を!」「チベットでの鉱山開発を止めよ!」とスローガンを叫びながら街にくりだした。

彼らの抗議デモに同調し、500人以上のチベット人が彼らの後に従って抗議の行進を行なったという。
逮捕された、アボ・タシが現在どこに拘留されているのかは不明。

(この事件がいつ起こったのかについては記事に記載がないが、RFAによれば4月8日とのこと)

<セルタ(色達)のチベット人学校の生徒20人がデモ>

さらに同記事によれば、カム、セルタ県のチベット人学校の生徒たちが4月10日、平和的抗議デモを行ない、中国政府を非難する内容を含むパンフレットを配布した。

当局は20人の生徒を逮捕したが、全員その日の内に解放されたという。

同じく昨日のパユルによれば、
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27103&article=3+sentenced+upto+13+years+in+Ngaba+County+in+Tibet

<アバ(阿壩)でチベット人3人に最長13年の刑期確定>

アムド、アバ(四川省阿壩チベット族チャン族自治州)中級人民法院は4月9日、3人のチベット人に刑期を言い渡した。
この情報はダラムサラにあるキルティ僧院緊急連絡委員会が発表したもの。

今回刑期が確定したのはチュダル34歳、ゴツァン・ジャミヤン・プンツォック36歳、二人はともにアバ・キルティ僧院の僧侶、もう一人は元アバ・キルティ僧院の僧侶であるコマツァン・ジグメ40歳である。

チュダルアバ県ジョレップ村ジョシェル家の僧チュダルには13年の懲役刑が言い渡された。
彼は2008年のデモの後、一年近く身を隠していた。
当局は彼に30万元の賞金を懸けた。
2009年8月25日、チュダルはドンコ・ギャクパツァン家に匿われているところを発見され逮捕された。
彼を匿っていたドンコ家の人々は連行され、妻と息子はしばらくして解放されたが、ドンコは未だ拘置されたままだという。
ドンコはかつて1998年に行なわれた「愛国再教育キャンペーン」に抗議し、町に反政府のポスターを張ったとして5年の刑を受けている。

コマツァン・ジグメコマツァン・ジグメ元アバ・キルティ僧院僧侶40歳には7年が求刑された。
彼は2009年2月7日に逮捕された。
罪状は「外国の分裂主義勢力」と連絡を取り、「国家機密」を漏えいしたというものだ。
彼は1992年中国政府に抗議するポスターを張り出したとして逮捕され、ほぼ1年間裁判もなく拘留されていた。

ゴツァン・ジャミヤン・プンツォックゴツァン・ジャミヤン・プンツォック(通称ジャンコ)36歳には6年の刑。罪状は「外国の分裂主義勢力」と結託して「分裂主義的活動」を行なったというもの。

彼は2009年3月3日僧坊にいるところを逮捕されたが、今年の4月9日に判決が言い渡されるまで、彼の家族はジャンコの居所を全く知ることができなかったという。

ジャンコは同僚のタベーが2009年2月27日焼身自殺を図ったというニュース
を外国に知らせたとして逮捕された。

タベーの焼身自殺については以下参照。

http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2009-02.html
http://blog.livedoor.jp/rftibet/tag/%E7%84%BC%E8%BA%AB%E8%87%AA%E6%AE%BA

ウーセルさんの記事、是非お読みください。
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51174291.html

ーーー

中国政府へ抗議の焼身自殺を図り銃撃され倒れた僧タベー焼身自殺を図りその場で撃ち倒されたタベー氏の消息はその後全く途絶えたままだ。
今どこで、どうされているのか非常に気になる。

以下、ウーセルさんのタベーに関する文の一部。

「この知らせを聞いたとき、しばし言葉を失い、声さえ出せなかった。胸がうずき、辛くてたまらない。

目の前に燃え盛る炎が現れた。炎の中には、若い僧侶がいる。雪山獅子旗とダライ・ラマ法王の写真を高く掲げ、叫びながら走っている。彼は油をかけた袈裟に火をつけ、火の玉となって街中に飛び出した。

銃声が響いた!」

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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