チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年4月8日
ディルの小学生たちは逮捕された後、行方不明のまま/アバで教師5人逮捕
ナクチュ地区ディル県の小学生たちが平和的抗議デモを行なったということは先日お知らせした。
しかし、その時点では子どもたちが逮捕されたのかどうかについては不明だった。
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51421908.html
この事件の続報をRFAが4月7日付で伝えている。
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/china-arrests-elementary-school-students-in-kham-driru-dzong-over-student-protests-on-march-22nd-04072010233648.html
<བོད་ཁམས་ནག་ཤོད་རྫོང་དུ་འཛིན་བཟུང་བྱས་པའི་བོད་ཕྲུག カム、ナクシュ(ナクチュ・那曲)地区で逮捕されたチベットの子どもたちは>
ナクチュ地区ディル(ビル・比如)県、ツァラ郷で逮捕された生徒たちの何人かの氏名が判明した。
ディル県ツァラ郷の小学生20人が、3月22日中国政府に対する抗議デモを行なったとして逮捕された。
その内の何人かの氏名が判明したが、彼らがどこに収監されているのかは未だ不明だ。
以下判明した子どもたちの氏名:
ツプテン・ジュンネ、ツプテン・ワンチュック、ノルブ・ジュンネ、ノルブ・テンジン、テチョック・ギャンツォ、リンチェン・プンツォク、イェテン・ルンドゥップ、ツェテン・ドルジェ。
彼らは11歳から15歳という幼い子どもたちばかりだ。
彼らの家族たちは警官に尋問されるなど様々な嫌がらせを受けている。
現在この郷は大勢の武装警官隊に完全に包囲され、緊張が高まっているという。
これらの情報はガワン・タルマ氏から得たものだ。
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中国では一体何歳から懲役刑を受けるのか?
ガワン・サンドルさんの実例からいうと12歳でも懲役刑を受けることが知られている。
パンチェン・ラマなど5歳の時にキッドナップされたのだから、この国では子供の人権とかが問題にされることはないらしい。
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写真は逮捕された教師キルティ・キャップ
<アバの学生追悼集会に関連し教師5人逮捕>
wokar.netチベット語版のレポートによれば、アバ県ゾゲ地区の警察は5人のチベット人教師を逮捕した。
ソナム、キルティ・キャップ、タメ、チュペル、トルカの5人は当地の教師養成学校の教師である。
彼らは何れも学内で逮捕された。
今年3月10日と14日、彼らが教えるこの地区のチベット人学校の生徒たちは、2008年の抗議運動の犠牲者たちを追悼するために、全員チベットの伝統衣装であるチュバを着て、バター灯明による供養の儀式を行なった。
警察はこれに参加した16人のチベット人学生を逮捕したがその多くはまだ拘留されたままだ。
今回逮捕されたチベット人教師たちは彼らに影響を与えたとして逮捕されたと思われる。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)