チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年4月6日
若者の決死の抵抗は続く
カムやアムドの各地でチベット人若者の勇敢な抵抗が続けられている。
<ディル(比如)でチベット人若者が中国国旗を降ろしたとして逮捕>
4月5日付パユルによれば、
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27047&article=Tibetan+youth+held+for+removing+Chinese+flag+from+government+building
2週間ほど前、ディルの地区集会所に掲揚されていた中国国旗を降ろし、これに火を付けたとして22歳の青年クンチョック・ナムギェルが当局に逮捕された。
現在、彼の行方は家族にも分からないという。
ディルと言えば、3月22日に当地の小学生が抗議デモを行なったというニュースがあった。
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51421908.html
2週間前と言えば、ちょうど同じころに当たる。
何か関係があるかもしれない?
<セルタ(色達)で20歳の若者が一人で抗議デモを行ない逮捕>
同じく4月5日付パユルによれば、
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27050&article=Police+arrest+3+in+Sertha+County+for+protests
4月2日、カンゼチベット族自治州セルタ県で、チョクサン村出身ウゲン・ナムギェル20歳はチベット国旗を掲げ、「チベット独立!」「宗教の自由を!」「ダライ・ラマ法王の御帰還を!」等のスローガンを叫んだ。
目撃者によれば、中国の警官隊は直ちに彼を抑え込み滅多打ちにした後、連行していったという。
同記事によればさらに、
<セルタで二人の僧侶がチベット国旗を掲げ、叫びを上げたとして逮捕>
3月31日、セルタの中央市場にて、ラルン・ガル僧院に所属するユルシュル出身(名称不詳)の二人の僧侶がチベット国旗を掲げ、チベット独立とダライ・ラマ法王の長寿を願うスローガンを叫んだ。
目撃者からの報告によれば、二人は要求を「叫んだ」というより「唱え」ていたという。
<マチュ県チベット人中学校の生徒と教師が抗議デモ>
4月5日付RFAチベット語版によれば、
http://www.rfa.org/tibetan/chediklaytsen/khamlaytsen/kham-stringer/protest-by-students-and-teachers-of-tibetan-middle-school-in-machu-04052010101550.html
アムド、マチュにあるチベット人中学校(蔵族中学)の生徒と教師多数が中国政府に抗議デモを行なった。
この中学校では3月14日に生徒たちが先導する大きなデモがあった。
その後、生徒や責任者が逮捕されている。
現在中学校は完全に保安部隊により包囲されており、中の状況は掴めないという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)