チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年3月19日
アムド、バイェンカルで僧侶3人、ツォェで青少年20人が逮捕される。
3月19日付TCHRDプレスリリースによれば、青海省海東地区バイェンカル(化隆県)ディツァの公安は僧院周辺に政治的パンフレットを張り出したとして3人の僧侶を逮捕し、この僧院が経営する学校を閉鎖した。
http://www.tchrd.org/press/2010/pr20100319.html
2008年の蜂起記念日である3月14日、ディツァ僧院の周辺で「ダライ・ラマ法王の早期帰還」「チベット弾圧終結」を訴える張り紙が多数発見された。
この事件の後バイェンカル県庁の職員が公安職員と人民武装警官を伴って僧院に現れ、この僧院を閉鎖した。
さらにトゥルク(転生ラマ)・ウーセル、イシェ20歳及びジャミヤン19歳を逮捕した。
情報によれば、トゥルク・ウーセルは二日後に解放されたが、残る二人は依然バイェンカルに拘置されているという。
これに先立つ3月8日、この僧院が経営するシェリク・リンチェン・ノルリン・スクールが突然当局により閉鎖されたが、その理由は不明だ。
この学校には幼い子供を中心に70人が通っていたという。
これとは別にロイター(北京)によれば、甘粛省甘南チベット族自治州の州都ツォェ(合作)で一群のチベット人がデモを決行し、少なくとも20人のティーンエイジャーが逮捕されたという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)