チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年3月18日
マチュでチベット人中学生が抗議デモ
チベット人中学生が抗議デモ
「中国の厳重な警備態勢に抗議した青少年たちが逮捕される」
http://www.rfa.org/english/news/tibet/youths-03162010144451.html
<以下抄訳>
3月16日付RFA英語版によれば、3月14日、午前11時~12時頃、マチュ県チベット人中学校の生徒約30人が市の中心に近い通りで中国に対する抗議のデモを行なった。
この日は二年前、地区でチベット人による大きな抗議デモが行なわれた記念日だった。
目撃者によれば、「このデモに500人~600人のチベット人が加わり」
「彼らは自由がないと抗議し、チベットの独立を訴えた」
「チベット人たちは保安部隊に包囲され、少なくとも40人が逮捕された」という。
この逮捕は地域のチベット人の間に新たな中国に対する怒りを誘発した。
複数の現地情報によれば、「400人~500人のチベット人が逮捕された者たちの解放を要求するため政府庁舎前に集結した」
「約3000人の保安部隊が地域に投入されている」
「何人かはダライ・ラマ法王の長寿を祈る叫びを上げ、中国・チベット会談の進展を求めた」という。
一方、ラサでは3月14日、チベット人がオーナーであるすべてのホテルやレストランは閉店した。
当局はこの日には平常通り営業するようにと命令を出していた。
「チベット人たちは店を開けないことにより3月14日への鎮魂を示したのだ」とラサの住民は言う。
カムのマルカムでは3月10日、何百人ものチベット人が抗議のデモを行なった。
住民の一人によれば「彼らは地区の鉱山開発によって引き起こされた、環境、動物、人間への損害賠償を要求している」という。
さらに「当局はリーダーの何人かを逮捕しようとしたが、その時数人のチベット人の若者がナイフで自分たちの身を斬り、もしもチベット人を逮捕するなら自分たちはこの場で自殺すると脅した」
「地区の役人たちはチベット人たちを解散させるために地元のリンポチェやラマの仲介を求めた」という。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)