チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年3月14日
3月10日前後のラサ
写真は3月14日に送られてきた最近のラサ。厳重な警戒網を潜り抜け送られてきたものだ。
もっと見たい人は以下へアクセス。
http://picasaweb.google.com/100952616815513862976/Tibet2009?authkey=Gv1sRgCJaRnOTY3OXnMQ&feat=emailTo#
2008年のこの日、ラサのラモチェやツクラカン前で始まった中国の圧政に対するチベット人の抗議デモは数千人規模に膨れ上がった。その後、ラサのいたるところで武装警官隊との衝突が起こった。デモの参加者に対し無差別発砲が繰り返され、数百人のチベット人市民が殺害された。
チベット人の放火等で十数名の中国人犠牲者も出た。
中国当局はラサをはじめチベット各地に3月10日~14日を中心に厳戒態勢を敷いている。
3月に入り当局はチベット人に対する「厳打嵐暴」キャンペーンを実施し、ラサの滞在許可書を持っていなかったり、少しでも反抗的な態度を示すチベット人数百人を逮捕した。
今のところ、ラサで誰かが声を上げたという情報は入っていない。
恐ろしくて、さすがのチベット人も誰一人叫ぶ事ができないというわけであろう。
写真から、今のラサの緊張が伝わってくる。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)