チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年3月13日

女性蜂起記念日/アメリカ国務省「2009年人権報告書」

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今日は東京で「在日チベット人コミュニティ主催
2010チベット・ピース・マーチ・イン・ジャパン」が行なわれたと思います。
参加された方々、ありがとう!ご苦労様でした!
夜の護国寺「キャンドルナイト」にも出かけて下さった方もおられるでしょう。
明日は大阪ですよね。大阪方面の方はぜひ参加してください。
お願いします。

12.3.2010 ダラムサラ、チベット女性蜂起記念日のデモダラムサラでは昨日、チベット女性協会主催により「女性蜂起記念日」の式典と下ダラムサラまでのデモが行われた。夜にはキャンドルライト・ビジルも行なわれた。
1959年のこの日、ラサのポタラパレスの前にチベット人女性数千人が中国の圧政に抗議するため集まった。これを阻止しようと共産党軍が出動し、女性数百人がその場で殺害され、1000人以上が逮捕されたという。
このような凄惨な日にチベット女性協会は設立されたのだ。
http://www.tibetanwomen.org/

12.3.2010 デリー、チベット女性蜂起記念日のデモデリーではこの日、チベット青年会議のメンバーたちにより中国大使館前で抗議デモが行なわれ、女性4人男性4人計8名のチベット人が逮捕された。
チベット青年会議は3月9日にも中国大使館前でデモを行なったが、この時には30人逮捕されている。

12.3.2010カトマンドゥ・ボドナートネパールでは12日中国大使館の前でデモを行なったチベット人16人が逮捕された。
今回は中国を喜ばすため、裁判抜きで最大90日投獄することを決定した。

写真はパユルより。写真はボドナートの仏塔のそばだが、ここでは逮捕者はでなかった。僧侶の一団が中国大使館に突入をはかり逮捕されたという。

ーーー

3月11日にはタイミング良く、今年の「人権報告書」をアメリカ国務省が発表した。
このニュースは日本各紙が取りあげている。
例えば;

ネット監視強化と中国を非難 米国務省が人権報告書 – 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010031201000168.html

 【ワシントン共同】米国務省は11日、世界194カ国の人権状況に関する2009年版の年次報告書を公表、米インターネット検索大手グーグルへの検閲問題などで米国との関係が揺れる中国について「ネット監視や情報規制を強めている」と厳しく非難した。

 報告書は、中国が6月の天安門事件20年などで報道を規制したり、市民の抗議活動を厳しく取り締まったりして反体制派の声を力ずくで封じ込めていると指摘。チベット自治区や7月に暴動が起きた新疆ウイグル自治区では、法的手続きを踏まず人々を処刑、長期間にわたって身柄を拘束するなど弾圧を続けているとした。

 日本に関しては、児童虐待が疑われるケースが08年4月~09年3月に計約4万2600件報告され、前年同期より約2千件増えたと問題視した。
2010/03/12 09:20 【共同通信】

とかだ。
これに対抗して中国は「、「2009年米国の人権記録」と題した報告書を発表した。

米は「ネットで覇権主義」 中国が米人権報告書に反論 – MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100312/amr1003121937012-n1.htm
2010.3.12 19:36

 中国国務院(政府)新聞弁公室は12日、「2009年米国の人権記録」と題した報告書を発表した。米国が「中国はインターネットの監視を強化している」とした人権報告書を公表したことに反論し、「米国は “ネットの自由”を旗印に、覇権主義を進めている」と非難した。新華社電が伝えた。

 中国側の報告書は、米報告書がチベットと新疆ウイグル両自治区の少数民族の人権問題に触れたことに対しても「人種差別は米国社会の持病だ。米中枢同時テロ以降、イスラム教徒への差別も激化した」と反論。

 さらに米国は世界最大の武器輸出国で、軍事費も世界一だと指摘し「米国は強大な軍事力で他国の主権を粗暴に侵犯し、人権も踏みにじっている」と強く批判した。中国は毎年、米国の人権報告書に対抗して報告書を発表している。(共同)

ーーーーー

以下、アメリカ国務省発表の「人権報告書」http://www.state.gov/g/drl/rls/hrrpt/2009/eap/135989.htm#tibet
の内、「チベットの章」の中からその「生命剥奪」の部分を紹介する。

中国政府あるいはその代理機関により任意で非合法な殺人が行なわれたという報告は沢山ある。
しかし、これらの報告を個別に検証することは不可能であった。これらの殺人に関わった政府責任者が取り調べを受けたとか罰せられたという報告はない。

1月23日(2009年)ペマ・ツェパックはチャムド県ゾガン地区で他の二人の若者と共に「チベット独立」と「チベットの新年を祝わない」ことを訴えるデモを行なった。彼はその時当局から受けた暴行により死亡した。

TCHRD(チベット人権民主センター)によれば、3月25日、四川省カンゼ、ダンゴ地区、ダンゴ僧院の僧侶プンツォック・ラプテン27歳は不就労デモを訴えるビラをまいたとして公安職員により殺害された。

3月、ホル・ダゴ僧院の僧侶パンチュ・レデは、耕作誓約書にサインすることを拒む農民と軍隊が衝突した際、殺害された。報告によれば、彼は農民による耕作拒否運動の組織者だったという。

8月、TCHRDの報告によれば、デブン僧院の僧侶カルデン32歳はラサの刑務所内での拷問により死亡した。
彼は2008年3月逮捕されていたが、家族は彼の居所を知らされていなかった。

以下略

英語の読める、関心のある方は是非全文お読みください。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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