チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年3月6日
分裂主義を扇動したとして、3人のチベット人に死刑等求刑
以下の大事なニュースは、少々古いものです。私はトレッキングが終わりポカラに下り、久しぶりにネット屋に入った時、見つけていました。すぐにお知らせすべきだったのですが、自分のパソコンも手元になく、どなたかが訳してくれるだろうと勝手に期待して、訳さずじまいでした。
昨日の夕方にはダラムサラでも、この不当な死刑判決と10日を目にラサを中心に行われ、すでに500人が逮捕されたという「ストライク・ハード・キャンペーン」に抗議するための、キャンドルライトビジルが行なわれました。
日本語化された記事等を探したのですが、見つかりませんでした。
そこで、以下遅れましたが、この件に関するTCHRDのレポートを訳します。
http://www.tchrd.org/press/2010/pr20100224.html
<ニャロンにおいて、一人のチベット人に執行猶予付き死刑、他の二人に終身刑及び禁固16年の刑が言い渡される>
チベット人権民主センター(TCHRD)が信頼できる情報筋より受け取った情報によれば、カム、カンゼ中級人民法院はニャロン(新龍)出身の3人のチベット人に刑期宣告を行なった。
3人のチベット人は共に、四川省カンゼ・チベット族自治州ニャロン県タンキ地区出身。
カンゼ中級人民法院は2009年11月17日、「分裂主義を扇動」し、「社会秩序を乱した」として、ペマ・イシェ28歳に2年執行猶予付き死刑、ソナム・ゴンポ24歳に終身刑、ツェワン・ギャツォa.k.a ツォク・ツォク32歳に16年の禁固刑を言い渡した。
彼らが逮捕されたというニュースは2009年3月18日、地区の官製新聞である「カンゼ日報the Ganzi Daily」に掲載された。
同紙は「2009年3月11日、3人のチベット人が逮捕された。彼らの容疑は、2009年2月28日、タンキ地区の路上において、チベット独立を訴えるパンフレットを配布し、タンキ地区庁舎に火を放ち、およそ20万元の損害を政府に与えた、ということだ」と伝えた。
情報筋によれば、彼らの家族は、逮捕後5カ月間彼らの消息を知ることができなかったという。去年8月になり、やっと家族たちは成都公安拘置所に彼らが拘留されていることを知ることができた。
カンゼ中級法院は11月17日に刑を宣告しているが、其々の家族は12月10日ごろになりやっと刑期について知らされたという。このことからしても、裁判は、被告には中国憲法で認められている基本的法的権利も与えられず、自身の選択した弁護人も付けることができないまま、秘密裏に行なわれたことが窺える。
ソナム・ゴンポとツェワン・ギャツォは二人ともタンキ地区のタンキ小学校の調理人として働いていた。彼らは現在四川省デヤン市の公安拘置所に収監されている。
2年執行猶予付死刑を言い渡されたペマ・イシェはタンキの農民であった。彼は今、四川省ダルツェド(康定)の公安拘置所に収監されている。
3人は何れも、去年行なわれた、抵抗チベット人たちの死を悼み、今も獄中にある他のチベット人たちとの連帯を示すための「耕作拒否運動」と「新年を祝わない運動」に積極的に参加していた。
センターの調査によれば、今もなお何百人ものチベット人が刑期も確定されず収監されたままである。これまでに、少なくとも334人には数カ月から死刑までの判決が言い渡された。
ほとんどすべてのケースにおいて被告人に独立した弁護人が付けられることはない。幾つかのケースにおいては被告の選択した弁護人が付くことが許可されたが、これらのケースにおいても、結局当局の脅迫や手続き上の工作により、判決には実際の効力とならなかった。
チベット人権民主センターは、家族に知らされることもなく、裁判が秘密裡に行なわれ、判決が言い渡されるという不正な一方性に対し強い非難を表明する。当センターは、中国政府に対しカンゼ中級法院で下された判決を覆し、3人のチベット人のために自由で公正な裁判を開くことを要請する。センターは国際社会が、この3人のチベット人に下された厳しい不正な判決が再考されるために介入することを訴える。
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今回の求刑は他のケースに比べ、特に不当に重いと思われる。
カンゼは終始、2008年3月から始まった抗議活動の中心地であった。彼らはこの地方のチベット人の間に広まった「耕作拒否運動」や「新年を祝わない運動」にも参加しているということで、カンゼのチベット人を脅すための見せしめとして使われたたとも思われる。
また、これは私の勝手な想像だが、、、カムのニャロンという場所は最近の一連の中国との対話における代表特使であるギャリ・リンポチェの出身地でもある。彼が現在長男であるギャリ家は中国侵略以前、このニャロン地方を支配していた有名な地方豪族である。
妹のギャリ・ドルマは現在議会副議長だ。
すると、これには中国政府のギャリ家への当てつけも含まれているのかも?
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3月10日が近づきダラムサラにも次第にメディアが集まり始めてきた。
日本系では今のところNHKさんと共同さんがカバーして下さることは確定しています。
明日あたりN2氏も再びダラムサラに現れるはず。
ITSN3月10日記念日アクションの要請と資料について
皆様
3月10日が一週間後に迫りました。皆さまそれぞれの準備が滞りなく進んでいる事を願っています。
このメッセージではこの日に会わせたアクションの紹介と用意された資料についての情報をお届けします。
1. 3月10日マーチ/デモ用プラカード
2. 3月10日チベットへの誓いについて
3. テンジン デレグ リンポチェ署名運動強化
4. 3月10日、行動の資料とリマインダー
1. 3月10日マーチ/デモ用プラカード
チベット蜂起マーチ/デモでお使い頂けるプラカードが用意されました。
テーマはチベット本土の声を代弁した Because I am Tibetan/Because I Love Tibet です。2種類のプラカードはMarch 10, because I am Tibetan と March 10, because I Heart Tibetと各自の言葉を入れて作ることのできる [xxxxxx], because I am Tibetan と [xxxxxx], because I Heartの2種類です。( [xxxxxx]のスペースにお好きな言葉を入れてプラカードをプリントしてください。
2. 3月10日『チベットへの誓い』について
チベット人と支援者による『チベットへの誓い』をビデオに収めてください。
『誓い』はチベットに対する支援の気持や、皆様がチベットのためにするアクションについて等を簡潔にビデオに語ってください。特に3月10日のイベント等の機会に出来るだけ多くの方々の『誓い』をビデオに収めてください。そしてそのビデオをyoutube や vimeo のビデオシェアーのサイトや I Heart Tibet site のプレッジ(『誓い』)のページにポストしてください。http://ihearttibet.org/?page_id=20
なお、このサイトはウェブサイトのプロクシーを使ってチベット本土のチベット人にもアクセスできるように広める予定です。
ビデオシェアーに関する手短かなハウトゥー(手引き)は以下からダウンロードできます。http://www.tibetnetwork.org/resources-10march2010.
3. テンジン デレグ リンポチェ署名運動強化の続き
チベットで集められた嘆願署名と同数を集めるためには,皆様のご協力が必要です。現在のところ推定で2万6500筆(オンライン署名/紙署名を含む)が集められる予定ですが、まだ1万5000筆必要です。各支援団体は署名獲得目標数を決めて強化キャンペーンを展開しています。(例:ドイツ連盟では1万筆目標数)
先週、閉幕したITSNアメリカ地区会議ではアメリカ支援団体がそれぞれ100筆から数千筆の目標数を取り決めました。どうぞ、皆様の団体でもどんなに少ない数でも構いませんので、目標数を取り決めて、その数をITSNまでお知らせ下さい。署名数の予想数に反映させていただきます。
ITSN加盟団体が総出で署名獲得を強化すれば目標数の4万筆獲得は可能です。3月10日のイベント、抗議行動やさまざまな場において署名運動を展開されることを強く要請します。
署名運動資料は以下の場所に:* オンライン署名: http://www.freetibetanheroes.org/home.php/profiles/tenzin-delek-rinpoche/petition*紙署名ダウンロード 英語, フランス語、ドイツ語、日本語、ポーランド語、スペイン語: http://www.tibetnetwork.org/resources-tenzindelek (要ログイン)
(紙署名は日本語のFree Tibet Japanのサイトからもダウンロードできます。http://freetibet.holy.jp/2010/01/テンジン-デレグ-リンポチェ-釈放要請/)
* オンライン署名へと誘導するウェブ用バナー : http://www.freetibetanheroes.org/home.php/profiles/tenzin-delek-rinpoche/tdr-web-banner-code (追記;日本語のバナーがほしい方はお申し出ください。)
4. その他の資料とアクション
3月10日は議員や政策立案者らにチベットについて働きかける重要な日でもあります。
ITSNでは議員や政府の関係者に面談といった形での面と向かったロビーを進めています。ロビー用資料はこちらからご覧下さい。http://www.tibetnetwork.org/resources-10march2010 (要ログイン現在英語とフランス語のみ)
*手紙、絵はがきテンプレ ; 代表議員や政策立案者に送る事のできるI LOVE TIBET ハートマークデザイン。
(日本語ではhttp://freetibet.holy.jp/2010/03/2010年3月10日:チベット民族蜂起から51年記念日/ページ から「議員へお願いシートをダウンロードする」で日本語訳が用意してあります)
*ロビーガイドライン(2009年版の改新版)
中国・チベット間の対話を進展させるためダライラマ法王と胡錦濤主席の直接会談を実現させる働きかけと、チベット人居住区の人権状況を監視するため在北京日本大使館にチベット局を設置を含む要請。そして啓蒙目的のためのテンジン デレグ リンポチェと ドンドゥプ・ ワンチェンの情報を含むロビーセットは現在英語とフランス語で用意されています。(要請の内容は上記「議員へお願いシート」日本語訳を参照ください。)
* チベット国旗掲揚
3月10日のチベット国旗掲揚は欧州大陸で活発ですが、近年ではSFTインドによる「国旗掲揚キャンペーン」が中心になり2008年3月以降のチベットで掲げられた多くのチベット国旗に敬意を表する運動が展開されて来ました。皆様の支援団体でも公共の建物やビル、施設でチベット国旗を掲揚する事で一般市民の理解を支援を促し、また中国のソフトパワーへの抵抗となります(中国による教育、文化に対する政治的影響;例、大学や映画祭等*
チベットの国旗掲揚に関する資料はこちら;http://www.tibetnetwork.org/resources-10march2010.
3月10日のアクションについてや「誓い」ビデオ投稿のやり方に付いて、資料等のダウンロードのやり方について,他ご意見ご質問がございましたら、こちらまでお待ちしています。at campaigns@tibetnetwork.org.
よろしくおねがいします。
ITSNより
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)