チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年1月28日
続・チベット/中国対話 2
RFAのチベット語版によれば、
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/tibetan-pm-not-hopeful-for-miracle-01272010215213.html
火曜日に、なぜか中国の湖南省に到着したという、ダライラマ特使一行は湖南省のどこかを訪問したのち、金曜日に北京入り、その日と次の土曜日にかけて対談を行うと言う。
北京での対話もいつもの統一戦線幹部たちとではなく、今回はチベット人共産党幹部たちと話し合うとか。
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なんだか、秘密めいた話ばかりで、結局終った後でないと本当の話は解らないということでしょう。
湖南省というが、ある日本の新聞には海南省かもしれないような事が書いてあった。
海南省は海南島のことで、そうだったらますます解らなくなる話だ。
チベット語では「フナン」となってるから湖南省と思われる。
湖南省のどこの町に何しに行ったのかはなぞ。
今回は北京ということで、ひょっとして今までの統一戦線という下っ端の役人どもとではなく、もっと上の人と話でも話ができるのかと少しは期待していたが、相手は中国共産党幹部に這いあがったチベット人たちと聞くと、この点ですでにがっかり。
結局今まで一度も中国の指導部には面会もかなわないというわけだ。
今回の対談をどちらが要請したのか?
亡命政府スポークスマンや法王庁秘書官は「中国側からの要請」と言ってる。
一方、中国側は「チベット側からの要請」と言ってる。
チベット側は前回の対話があまりにひどかったので、「当分チベット側から対話を要請しない」と決めていた。このタイミングでどうしても対話を始める特別の理由は見当たらない。
一方、中国にはこのタイミングで急いで「チベット・パフォーマンス」を一つぶち上げる必要状況がある。
去年11月訪中のおり、法王との対話を要請したオバマ大統領が2月に法王と会談するらしいからだ。4月にはワシントンで胡錦濤・オバマ会談も予定されている。
さて、どちらが「嘘つき」なのでしょうか?
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)