チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年1月25日
ダライラマ特使が明日中国に到着
今日付けdalailama.comのプレス・リリースに、
http://www.dalailama.com/news/post/484-press-statement
「ダライ・ラマ法王の特使であるLodi G. Gyari とKelsang Gyaltsen は中国政府指導部の代表たちと会談するために明日、中国に到着する。これは第9回目の会談である。2002年に始まったこの一連の会談は、今回15カ月ぶりに行われる。」と発表され、パユルも会談を知らせる以下の記事を載せている。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=26471&article=Dalai+Lama%e2%80%99s+envoys+to+arrive+in+China+tomorrow+for+ninth+round+of+talks
会談にはあと3人Tenzin P. Atisha, Bhuchung K. Tsering、Jigmey Passang が同行している。彼らはいずれも「会談のための特別作業委員会the Tibetan Task Force for negotiations」のメンバーである。
確かに今月20日から2日間この特別作業委員会が開かれていたことは知っていたし、その中で首相のサムドゥン・リンポチェやロディ・ギャリ・リンポチェが「会談は続けられるであろう」とか「何らかの進展が期待できる」とか言ってはいたが、明日から会談なんて全く想定外でした。
22日には法王の下に首相と2人の特使が赴き、作業委員会の報告と会談への法王の助言を求めたという。
特使たちは来月初めまで中国に滞在する。
追記:
対話は北京で行われ、再開は中国側が呼び掛けたという。
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気が付くと日本の各新聞社もこのニュース伝えてました。例えば、
<チベット問題>ダライ・ラマ側と中国政府の対話再開へ
1月25日21時59分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100125-00000124-mai-cn
【ニューデリー栗田慎一】インド北部ダラムサラにあるチベット亡命政府関係者は25日、毎日新聞の取材に対し、「チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の代理人と中国政府の非公式協議が26日、北京で再開される」と明らかにした。
非公式協議は08年11月以来で9回目。前回の協議では、ダライ・ラマ側から出された「高度な自治」案の受け入れを中国が拒否。ダライ・ラマは「チベット側から次回協議を求めることはない」と公言し、協議を中断していた。
ダライ・ラマの上席秘書チョキヤパ氏は電話取材に対し、「中国側の要請で再開されることになった」と述べた。「中国政府内部に何らかの変化があったのかもしれない。亡命政府側が『高度な自治』を求め続けることに変わりはない。チベット問題を解決する重要なステップとなると信じる」と強調した。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)