チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年1月15日

アムチ小川氏の連続チベット医学講座

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ダラムサラの名物日本人であった、盟友の小川くんが日本の山奥で本格的なチベット医学の啓蒙活動に入られたようです。
チベット語講座もあるとか、みんな楽しい小川くんの下にお集まりください。

彼は確か大学の時、落語クラブに入っていたはずで、その絶妙な落語調講義には定評があります。落語聴くつもりで参加してみるのも一興かも。

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「むかーし、むかし、あるところにタナトゥクと呼ばれる医薬の都がありました。
その都の中央には金、銀、ラピスラズリ、珊瑚、真珠、で作られた大きな宮殿が聳え立ち、それら宝石から発せられる光は、全ての病を癒し、生きとし生けるものの願いを叶えてくれましたとさ」

 八世紀、神秘の国チベットで編纂されたというチベット医学聖典・四部医典はこんな御伽話で始ります。そして17世紀には80枚の紙芝居として表わされ、より分かりやすく親しみやすいものになりました。

 本講座では80枚の紙芝居=絵解き図をテキストに用いて、医学の教えだけに留まらず、チベット仏教、歌、風習など多様なチベット文化の世界にみなさまをご案内します。

講師  アムチ小川 (アムチとはチベット語で、お医者さんという意味です)

富山県出身。1970年生まれ。東北大学薬学部卒。薬剤師。
高校理科講師、山村留学指導員、薬草茶製造会社、薬店、農場、で勤務。
1999年1月よりインド・ダラムサラにてチベット語・医学の勉強に取り組む。
2001年5月、チベット圏以外の外国人として初めてメンツィ・カン(チベット医学暦法学大学)の
入学試験に合格する。
2008年11月、八万語に及ぶ四部医典の暗誦試験ギュースムを達成。
同時に学業を修了する。
2009年3月、1年間のインターンを修了し正式なチベット医・アムチとして認められる。
帰国後、越中とやまの配置薬・アムチ薬房を薬草が豊かな小諸に開設。
チベット医学とともに日本古来の伝統医療の紹介、普及に務めている。

小川さんのエッセイはこちらで読めます。
ヒマラヤの宝探し
http://www.kaze-travel.co.jp/kazenoyatteirukoto/yomimono/tibet-ogawa

テキスト  四部医典       ユトク・ユンテン・ゴンポ編纂  八世紀
                (日本語の翻訳が随時、添付されます)
      四部医典タンカ全集  富山国際伝統医学センター刊行  500円

日程 

第1回 1月16日(土) 
午後 1時~15時半 タンカ(絵解き図)1番「伝説の都タナトゥク」
               薬師如来を信仰する仏教医学の世界を紹介します。
    16時~17時時半 タンカ2,3,4番「樹木比喩図」
             体質、診断、治療の三本柱についての概説を行います。

    1月17日(日) 午前10時~12時 チベット語講座
               チベット語の簡単な数字や挨拶などを学びます。

第2回 1月30日(土)
    第一部 タンカ5~17番 「人の懐胎から出産」
        身体の作りを学ぶとともに、輪廻転生や魂という概念を基本とする
        チベット人の思想に触れます。
    第二部 タンカ18~24番 「診断に際しての吉兆」
               チベット社会の風習を学びます。

    1月31日(日) チベット語講座。チベットの諺や氏名を題材に学びます。

第3回 2月20日(土)
    第一部 タンカ25~36番 
               医学に用いられるヒマラヤの薬草を実際のスライドも交えながら紹介します。
    第二部 タンカ37~41番 「医者の徳性」
               多面的な文化の中で熟成される患者と医師との信頼関係について
      
第4回 3月20日(土)
    第一部 タンカ42~47番 癌や糖尿病など具体的な症例について触れます。
    第二部 タンカ48~55番 「悪霊」
               チベットの精神医学について学びます。
    3月21日(日) チベット語講座。 民謡や踊り、詩を題材に学びます。
      
第5回 4月17日(土)
    第一部 タンカ56~68番 脈診と尿診について実践を交えて学びます。
    第二部 タンカ69番   実際のチベット薬に触れながら製薬の方法について学びます。
    4月18日(日)終日。 長野市西方寺にお住まいのチベット人・絵師ケルサン氏を訪ね、
                仏教美術についてお話を伺います(予定)。
第6回 5月22日(土)
     第一部 タンカ70~76番 お灸、オイルマッサージを実践しながら学びます。
     第二部 タンカ77~80番 総括の章を中心に、過去・現在の偉大な名医を紹介します。
     5月23日(日) 小諸高原で薬草観察 薬草採集。この薬草は次回の講座で用います。

第7回 6月19日(土)
     第一部 小諸高原で薬草観察、薬草採集
     第二部 My薬草茶講座。自分のオリジナル薬草茶を作ってみましょう。

オプションコース
第8回 5月2日出発。ダラムサラ・学びの旅。
    チベット医学暦法大学メンツィ・カンのあるダラムサラを訪れ、チベットの名医から講義を受け、
    直接、診察してもらいチベット薬を処方してもらいます。
                               主催 風の旅行社
第9回 7月17日(土)
     午後 富山国際伝統医学センターを訪ね、80枚のタンカに実際に触れます。
        越中富山の配置薬についても学びます。(日程は変更になるかもしれません。現地集合)

定員   20名(先着順)

料金
 講座、4000円。テキスト代金500円は別途。参考資料は講座代に含まれる。
 日曜日の講座は前日から引き続き参加者に限り1500円。日曜のみの参加は2000円。
 長野市、富山県への移動費は実費です。
 

会場・受付   小川アムチ薬房  〒384-0801 長野県小諸市  
                         小諸警察署から徒歩1分

お申込み  電話 小川 0267-24-7323  

        メール  ogawayasushi@hotmail.com

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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