チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年1月13日
マチュで中学校と小学校を閉鎖
中国当局はアムド、マチュにて「教育セミナー」を開こうとしていた二つのチベット語学校を閉鎖した。
ダラムサラ、1月12日 phayul.com:
「教育セミナー」を開こうとしていた、マチュ県の二つのチベット語学校が中国当局により強制的に閉鎖された。
この情報はVoice of Tibet放送に、現地からの連絡を受けた亡命チベット人ドルカ・キャップが伝えたものである。
彼女によれば、当局は「抗議運動に発展する恐れ」があるとして中学校と小学校を閉鎖したという。
このチベット語に関する教育セミナーは、著名なチベット語学者であるドン・ユンテン・ギャツォが中心となり、地元のチベット語保存グループ等と共同で開催される予定であった。
セミナーの主題は「チベット人としての苦楽の共有」であり、これは2008年当地で中国当局への抗議の声を上げた学生たちのスローガンでもあった。
キャップは「この主題からしてセミナーには多くのチベット人が集まるであろう、それは、何れ中国政府に抗議する方向に向かうであろう、という危惧の下に学校を閉鎖したと思われる」とコメントした。
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何だか、よく分からないニュースですが、とにかく中国当局は少しでも反中国政府的傾向になるかもしれないチベット人の集会は、前もって禁止するということなのでしょう。
こんな中国の片田舎の小学校や中学校で行われるセミナーに対してまで、これほど神経質な対応をするとは余程チベット人が怖いか、ただ喧嘩を売ってるのでしょう。
チベット語を守ろうとするチベット人が沢山いると判るが、一方それは時に命がけとなることも見えてくる。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)