チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年1月6日
2人のチベット人尼僧に刑期2年と3年
ダラムサラ、1月5日付パユル。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=26347&article=2+Tibetan+nuns+sentenced+upto+3+years’+imprisonment
ラジオ放送Voice of Tibet が伝えるところによれば、中国の裁判所は2009年11月17日、2人のチベット人尼僧に3年までの刑期を言い渡した。
セラ僧院の僧侶がVoice of Tibet に伝えた情報によれば、四川省カンゼ・チベット族自治区ダルツェドにあるニマ・ゲツェル尼僧院に所属していたノルドゥンとラワン・デキは、カンゼ市内で2009年3月17日、平和的抗議デモを行ったとして逮捕されていたが、ノルドゥンには2年、ラワン・デキには3年の刑がダルツェド中級法院により言い渡されたという。
2008年以降のチベットにおける政治的混乱を受け、中国政府は僧院、尼僧院を標的に反中国的抗議活動を未然にチェックすることを意図した「再教育キャンペーン」を展開した。
僧侶及び尼僧は、中国が分裂主義者を扇動しているとして非難する亡命チベット人リーダーであるダライラマ法王を非難することを強要され、非情な精神的、肉体的拷問に耐えねばならなかった。
当局は2009年4月5日、チベット人を脅すために15人の政治犯をカンゼ市内引き回しにした。
この2人もその中にいた。
15人の囚人は全員頭を剃られ、手錠、足錠をされてトラックに載せられ見世物にされた。
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先にお知らせしたドゥンドップ・ワンチェン氏の刑期確定の件に関するリリースが亡命政府からも出ています。
http://tibet.net/en/index.php?id=1336&articletype=flash&rmenuid=morenews&tab=1#TabbedPanels1
この中でドゥンドゥップ・ワンチェン氏と接触した弁護士Li Dunyong の話が短く紹介されている。
「私の依頼人であったドゥンドゥップ・ワンチェン氏は拷問により告白を強要された。その時の傷は一年後まで彼を苦しめていた。彼は<無実を訴え続け、16か月の間如何なる嫌疑も認めなかった>と私に話した」。
Li Dunyong弁護士は結局彼の弁護を担当することを許されなかった。
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筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)