チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年1月6日
ドゥンドゥップ・ワンチェン氏に6年の刑
1月5日付RFAチベット版が伝えるところによれば、
http://www.rfa.org/tibetan/otherprograms/newsanalysis/dhondup-wangchen-sentenced-to-six-years-in-jail-01052010160632.html
「恐怖を乗り越えて(ジクデル)」の制作者ドゥンドゥップ・ワンチェン氏に6年の刑期が言い渡された。
現地から電話で寄せられた情報によれば、この判決は西宁中級法院により12月28日秘密裏に決定されたという。
ダラムサラにいる妻のラモ・ツォ以下家族もこの事実を確認した。
スイス在住のドゥンドゥップ氏の従兄ジャムヤン・ツルティム氏は「この判決によりチベットに言論の自由等がないことが象徴的に証明された。裁判の過程もすべて正当なものではなかった。彼は肝炎に苦しめられており
治療も受けられない。これからの監獄生活に耐えられるかが心配だ」と語った。
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この刑期6年をどう見るか?
私は漠然と10年位か?と思っていたので、6年も長く非常に残念ではあるが、見方によれば世界的キャンペーンの成果も少しはあって6年で済んだ、と思えなくもない。
だた、チベットの監獄では一般的に囚人の外的・内的疾患に対し何らかの治療が行われるということは全くなく、最後の段階になったとき軍病院に担ぎ込むか、家族に引き取らせる。
家族の心労は続く。
本人も、家族も無実を訴え続けており、ドゥンドゥップ・ワンチェン氏は上告すると思われるので、引き続き解放運動を続けたい。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)