チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年12月30日
プルブ・ツェリン・リンポチェに8年の刑
ダラムサラ、12月28日付けphayul.com
http://phayul.com/news/article.aspx?id=26299&article=Phurbu+Tsering+Rinpoche+sentenced+to+over+eight+years+in+prison%3a+report
Voice of Tibet Radioが現地よりの情報として伝えるところによれば、カム、ダルツェド中級法院は12月24日、カンゼ県で名高い高僧、トゥルク・プルブ・ツェリン・リンポチェに8年の刑を言い渡した。
リンポチェは2008年5月18日、武器保持の嫌疑により逮捕された。
警察はリンポチェの居間にあったベッドの下から拳銃と100発の銃弾が発見されたという。
しかし、リンポチェはこれは当局により仕組まれたものだとして、嫌疑を否定していた。
リンポチェの弁護士である北京在住のLi Fangpingが Associated Pressに語ったところによれば、リンポチェは逮捕後4日間続いた尋問の間に、告白状にサインしなければリンポチェの妻と息子も拘束すると脅迫されたという。
トゥルク・プルブ・ツェリン・リンポチェはテホル・カンゼ僧院の篤い尊敬を集めるトゥルク(転生ラマ)である。
彼は地域で第一の仏教学教師であり、パンリとヤツェ尼僧院の僧院長でもあった。
リンポチェは養老院を運営し、孤児や身体障害者を保護していた。
情報筋によれば、逮捕はその4日前、彼の下にある上記二つの尼僧院の尼僧たちが中国政府の「愛国教育キャンペーン」に反対して平和的抗議を行ったことに関連しているという。
リンポチェは現在ダルツェド刑務所に収監されている。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)