チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年12月3日
チャットにダライ・ラマを載せて刑期3年
<チャット・サイトにダライ・ラマを載せたとして2人のチベット人に3年の刑>http://phayul.com/news/article.aspx?id=26116&article=3+years’+imprisonment+for+2+Tibetans+for+Dalai+Lama+contents+on+chat+site
パユル、ダラムサラ 12月3日。
現在亡命中のナクチュ出身、ガワン・タルパ氏によれば、中国の裁判所は最近ナクチュ県ソック地区出身の2人のチベット人に其々3年の刑期を言い渡した。
今年10月1日、中国共産党による60周年記念国慶節に合わせ、ゲルセン25歳及びニマ・ワンチュック24歳は他の2人とともに逮捕された。
逮捕の理由は中国の有名チャット・サイトであるqq.com上の其々のプロフィールの中でダライ・ラマの写真やスピーチを掲載した、というものだった。
この時一緒に逮捕されたイェシェ・ナムカ25歳及びアニイ(年齢不詳)の二人にはまだ刑期は確定していない。
逮捕後、二人の家族や親せきの内、面会が許されたものは誰もいない。
家族は彼らが拘置所でむごい拷問を受けたであろうことを心配しているという。
4人は厳戒態勢が敷かれていた国慶節の日、同じラダ村の実家から引き立てられて行った。
4人には当局からさらに「外国の分離主義者ども」とも連絡を取ったとの嫌疑がかけられたという。
中国当局は今年の国慶節を前にチベット人たちがこの機会を利用して抵抗運動を起こすのを恐れ、チベット人たちの移動と情報伝達について特に厳しく監視していた。
同じくこのソック地区からだけでもさらに、ラサで10月初めに逮捕された同地区出身の僧侶ツプテンや、
昨年の抗議運動に参加し逮捕された
テンジン・シェラップ15歳、
ガワン・ロトゥ17歳、
ツルティム・テンダー21歳、
チャンブ・ドゥンドゥップ52歳、
チョクデン・ツルティム19歳、
及びソナム・ゲルツェン
は逮捕後当局から家族には何の連絡もなく、
彼らがどこにいるのかを知っているものは誰もいない。
この情報を伝えたガワンによれば家族は「もう彼らが生きているとも思えない、、」と話していたという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)