チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年11月20日
法王74歳の強行軍
法王はこの数カ月特に強行スケジュールをこなされています。
18,19日にローマで行われていた「国際チベット議員会議」に出席された後、インドに帰られ明日土曜日にはデリー大学内で19日から三日間行われている「チベット・歴史と文化会議」に出席されます。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=26013&article=Dalai+Lama+to+address+international+conference+on+Tibetan+history+and+culture
この会議というか学会のようなものには世界中から40人の学者が選ばれ参加し、セミナーが行われます。
日本からは確か早稲田大学の石濱教授が出席されていると思われます。
その後法王はやっと久しぶりにダラムサラにお帰りになり、早速24,25日の両日ロシアグループのリクエストに答える形で法話をなさいます。
最初の日にアティーシャの「菩提道灯論」を解説され、二日目には「13尊ヤマーンタカ潅頂」を行われる予定です。
とにかくお忙しい、お忙しすぎる!
と思っていたが、今日非常に気になるニュースが目に付きました。
ローマ発19日付けAP伝:
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5gnEQr8WvFElZQAiJrtSDHh9Jl8TgD9C21DNG0
の一部、以下原文
His hectic globe-trotting has been interrupted by a series of minor health issues, including two bouts of exhaustion.
「法王の消耗戦的駆け足世界行脚は、二度のbouts of exhaustion疲労発作を含む一連のちょっとした健康問題により中断された」
この場合のbouts of exhaustionは本当に疲労発作と訳していいものかどうか?
実は自信がありません。
どなたか英語に強い方はコメントお願いします。
記事には情報元が明記されてないしで、この単語をどのように解していいものか?
実際どんな健康状態について使われた言葉なのか?
気になるところです。
ローマで行われていたリチャード・ギア氏も参加していた「世界チベット議員会議」の開催中に開かれた記者会見の席上法王は(おそらく法王の亡き後に関する質問に答え)、
「私が死んだ時にはもちろん(チベット問題は)セットバックするであろう。それは確かだ」
と答えられた。
続いて「しかし、非常に健康的で文化的な次の世代がこのチベット問題を引き継ぐ力をもって育ってきている」と話され、次の若い世代を信じていることを強調されたという。
それにしても、法王にはとにかくお休みして頂きたいと切に思う。
ティーチングなどはっきり言ってかつて万と言うほどなされた。
今じゃ英語やチベット語で良ければ法話のDVDも山ほどある。
勉強したければ法王からの直接の教えもすでに巷に溢れている。
それでもどうしても集まりたければ大きなスクリーンにかつての法話を流すだけで十分と私は常々思って来た。
みんな気楽に呼び出し過ぎでしょう。
法王が来られたからと言って、有名なスポンサーの方々もそうでない方々もできるだけ不必要に法王の時間を取ることのなりよう気を使べき、という時期に入っていると思われます。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)