チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年11月17日
オバマ大統領は「チベット」「ダライ・ラマ」に言及した/機密漏洩罪で新たにチベット人に15年の刑
数時間前に行われたオバマ大統領と胡錦濤国家主席の会談後の記者会見のライブを見ていました。
はじめにしゃべった胡錦濤氏のときには窓の外から数種の小鳥のさえずりが聞こえてくるままに、外を眺めながら聞いていたのですが、オバマ氏の演説が始まってからは鳥にも構わずちゃんとオバマ氏の顔を見ながら聞いていました。
何時人権の事を話すのか?チベットの事は?と思いつつ、温暖化、通貨、アフガン・パキスタン、北朝鮮、イランときてもうこれで終わりか思ったころに「人権はアメリカだけの価値でなく、(人類)普遍の価値だ。少数民族の人権も守られるべきだ」と
上海における声明を繰り返し、最後の最後に「チベット問題を解決するためにダライ・ラマ特使との会談を再開すべきだ」と発言してくれた。
素直に嬉しかった。これでノーベル平和賞のメンツがつぶれるということは避けられた。
もっともその「人権」とか「ダライ・ラマ」とかの単語を耳にする胡錦濤の顔は泥のように固まったままで何の特別な反応も見せなかった。
「勝手に言うが良い」と言ったところだ。
ニューヨーク・タイムズなどはオバマ氏が「銀行家に敬意を払いにやって来た浪費家の役回り」を演じることになると論じたそうだ。
アメリカは「中国の国際的地位を認めるから、それなりのちゃんとした責任も取ってくれ」政策、所謂「責任ある利害関係者」に代わって、中国の成長や増大する国際的な役割が、他国の安全や幸福を犠牲にするものではないという「戦略的な保証」を世界に与えるよう促す政策に転換したともいう。
結局オバマ氏は訪中前にダライ・ラマ法王との会談を行わないという中国に対する配慮を見せたが、中国側はこれまでのアメリカ大統領の訪中前に行っていた政治犯の一部釈放というサービスも行わず、それどころか取り締まりをより厳しくし、反体制派を逮捕し、処刑を行った。
アメリカの配慮に対する答えがこれだ。
金を握っている限り中国は相手に何か言われれても従うつもりは毛頭ないのだ。
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オバマ氏が「人権は人類普遍の価値。言論、宗教の自由はすべての人に認められるべきだ」と北京で話しているときに、
チベットからはまた、悲しいニュースが届きました。
<チベット文化ウェブサイトの創設者に秘密裁判の末15年の刑>
以下ICTのリリースより抜粋。
中国政府環境省の役人であり、「チュメ=灯明」と名付けなれたチベット人に影響力のあるチベット語サイトの創始者でもあるクンチョック・ツェペル氏は国家機密漏洩の名目で15年の刑を言い渡された。
罪状の幾つかはチベット文化保存を意図するウェブサイトの内容に関わるものであり、また去年の抗議デモに関する情報を流布させたことも問われたと思われている。
39歳になるクンチョック・ツェペル氏は今年2月26日早朝自宅で逮捕された。
家は荒らされ、彼のパソコン、カメラ、携帯電話が押収された。
家族はその後先週まで全く彼の居所を知ることができなかった。
判決は11月12日甘粛省甘南チベット族自治州甘南中級法院にて秘密裁判の結果15年と決定された。
これとは別にチベット・ポストが伝えるところに依れば、20歳の作家グンガ・ツァンヤンが5年の刑を受けた。
彼の罪は「分離主義的」記事を発表することで国歌の安全を脅かし、また南インドに亡命している高僧シンシャ・リンポチェと連絡を取り合ったことであるという。
http://www.thetibetpost.com/en/news/tibet/474-tibetan-writer-gunga-tsangyang-sentenced-to-five-years
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ちょっと今全部訳す時間が無い。
すみません両方とも誰か訳してください。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)