チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年11月11日
明日からいよいよオバマ大統領の中国訪問が始まる
オバマ大統領の日本訪問は如何でしたでしょうか?
オバマ氏は「鳩山首相、チベット問題についてはどう思われるか?」なんて質問したかな??
チベット関係者としては日本よりもちろん明日からのオバマ大統領の中国訪問の方がよほど気になるところです。
<phayul>11月10日付けの記事
http://phayul.com/news/article.aspx?id=25926&article=Obama+may+raise+%22Tibet%22+with+Hu%3a+US+officialによれば、オバマ氏は胡錦濤主席との会談でチベットを口にするし、アメリカに帰った後に法王にも会うそうです。
以下、phayulの記事をそのまま訳したと思われる日本語ニュース。
<米大統領、中国首脳との会談でチベット問題協議か-為替問題も議題に>
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=amH5wadYx86k
11月10日(ブルームバーグ):オバマ米大統領は来週北京で行う中国の胡錦濤・国家主席との首脳会談で、表現の自由や法治、チベット問題を協議する意向だ。ホワイトハウス高官が明らかにした。
国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長、ジェフリー・ベーダー氏は9日、「オバマ大統領は人権問題への懸念を直接、胡錦濤主席に提起するだろう」と述べた。
チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が米議会から人権賞を受賞するため10月に訪米した際にオバマ大統領が会談を見送ったことをめぐっては、人権問題活動家から批判が高まっている。バレリー・ジャレット大統領上級顧問(政府間調整担当)は9月に、オバマ大統領が今月のアジア歴訪後にダライ・ラマ14世と会談する見通しだと述べており、ベーダー氏もこれを追認した。
オバマ大統領は12日から8日間の日程で北京のほか、東京とシンガポール、上海、ソウルを訪問する。16日に胡錦濤主席と夕食をともにし、翌日に会談する。
ベーダー氏は9日、同大統領の初のアジア歴訪に関する記者団との電話会議で、「現段階で大統領の発言内容を正確に予測することはできないが、表現の自由や情報へのアクセス、宗教の自由、法治、チベット問題といった問題がわれわれの念頭にある」と説明した。
オバマ大統領は9日、中国の胡錦濤主席と温家宝首相と会談する際に、為替問題を取り上げる意向を明らかにした。同大統領はロイター通信とのインタビューで「為替は他の多くの問題とともに議題になるだろう。貿易を促進し、経済成長の継続を可能にする、米国と中国の双方に恩恵を与える広範な政策で両国が合意できると確信している」と語った。
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<ICTはオバマ大統領にチベット問題の仲介役を要請>
リチャード・ギアが現在会長を務めるICT(International Campaign for Tibet)は一歩進めて、オバマ大統領にチベット・中国会談への仲介者の役を引き受けて頂きたいという趣旨の手紙を10月31日付けで送ったという。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=25933&article=ICT+urges+Obama+to+offer+mediator’s+role+for+China+-Tibet+dialogue
http://www.savetibet.org/policy-center/ict-board-letter-president-obama
もちろんそんなことが実現したら大喜びですが、どうでしょう?
法王はこのところ、もう会談の望みも当分ないだろうからと、遠慮することなく台湾だろうが、アナチャルだろうが呼ばれればお出かけになっています。
この法王の態度を評してあるインドの新聞は「もうダライラマには何も失うものがないからだ」と言ってました。
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昨日は「ベルリンの壁崩壊記念日」でした。
BBCなどでは今週はこの特集ばかりでした。
映像で大勢の市民が狂喜して壁を破壊するかつてのその光景を見るのは感動的でもありました。
二元の崩壊。
物事は原因と条件がそろったところに何かの(偶然の)きっかけが起こることで成立する。
原因と条件が揃えば望まなくても必ず起こる。
許すゴルバチョフが出現し、自国民に無暗に銃を発砲しないという東ドイツの兵隊の良識があって初めて可能だった。
もしも今、北朝鮮の人々が南の国境に押し寄せたとしても、兵士に虐殺されるだけであろう。
中国は同じ1989年に天安門広場の学生を虐殺した。
チベットやウイグルでは今も政府に反対の声を上げる者をその場で銃殺しても、その警官は何の罪にも問われない。
中国にこの先、人間的な指導者が現れるという希望があるのだろうか?
世の無常性に賭けるしかないのか、、、
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)