チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年10月7日
チベット人元女医、スパイ罪で15年の刑
http://www.tibet.net/tb/flash/2009/oct/031009.html
確かな情報筋によれば、昨年3月ラサ蜂起の後、公安に逮捕された元チベット医学医師イェシェ・チュドゥンは昨年11月7日、ラサ中級法院によりスパイ(国家機密漏えい)罪として刑期15年、政治権利剥奪5年を言い渡された。
現在彼女はラサ近郊の刑務所にて労働改造プログラムに服しているという。
イェシェ・チュドゥンは現在54歳。
長くノルブリンカ近くにあるソウェー・メンカン(労働者病院?)の医師を務めていたが最近定年退職し、その後ラサのラモチェ地区に住んでいた。
2008年3月蜂起の後、直ちに彼女の自宅に公安が押し掛け逮捕され、その後も外国との繋がりを中心に尋問、捜査されていたという。
現在、彼女がどの刑務所に収監されているのか知らされておらず。
逮捕後、家族も友人も誰一人として彼女に会えたものはいない。
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今から冬に向かう、チベットの監獄はどれほど寒いだろうか。
54歳から15年の刑と言えば、このままでは出るのは69歳。
生きて帰れるかどうか定かでない。
そうなのに、さらにその上74歳までは<政治権利剥奪>つまり<人間として認めない>というのだ。
<外国に正しい情報を伝えた>というだけで!
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)