チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年10月5日
王力雄氏が11月に東工大で講演会/チベット第3極点運動
王力雄氏といえばウーセルさんの夫であり、中国の有名な作家です。
11月16日に東京工業大学で講演会を開かれるそうです。
日本にいれば是非とも参加したいところです。
http://www.cswc.jp/lecture/lecture.php?id=97
王力雄
「現代中国文学と文化の再構築」
日程| 2009年11月16日(月)
時間| 19時00分~20時30分
会場| 大岡山キャンパス西9号館2F ディジタル多目的ホール
講師| 王力雄
講演内容:
伝統的な中国文化は、仁愛、忠誠、礼儀、信頼という四本の柱に支えられてきた。それは文学・芸術にも深く浸透している。しかし、20世紀に行われた文化革命ではその伝統が破壊され、イデオロギーが先導する道徳化、倫理化、革命化の波に翻弄され、真髄が失われたとも思われる。中国文学と文化の再構築において、今、何をすべきか?その道筋はどこにあるのか?文学と文化の双方からその糸口を探る。
※中国語による講演。日本語通訳あり
講師紹介
王力雄
作家。1953年生まれ、北京在住、吉林工業大学卒業。
代表作である「黄禍」(1991年)は「20世紀最も影響を与えた本ベスト100冊(米国ニューヨーク公立図書館選)」の中の41位を獲得。他に、チベット問題の最も影響のある書籍といわれる「天葬―チベットの運命」(1998年)、現在のウイグル人社会の危機を予言した「私の西域、あなたの東トルキスタン」(2007年)などがある。
Human Rights Watch / Hellman-Hammett Grantsなど受賞。
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以下ITSNよりのお知らせです。
チベットサポーターはもちろん自然を愛する。
チベットの自然を守ることは世界を救うことに繋がる。
本当に世界を救うのはチベットの利他の文化だ。
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チベット第3極点運動;国連気候変動交渉の報告
(ITSNメンバーの皆様)
チベット第3極点のワーキンググループリーダーであるJohn Isomからのメッセージが届きました。
チベット第3極点運動;国連気候変動交渉の報告
チベットの声を国連気候変動の交渉の席に届けるための計画、
チベット第3極点は現在バンコクで進行中であり、12月7-18日のコペンハーゲン通称COP15へと続きます。私達は見事な顔ぶれの科学者、活動家、NGOとチベット人らでチームを作り、現在バンコクで行われている国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)特別作業部会に、チームのメンバー(私)が参加しています。
今回のゴールは該当するNGO等と連帯を組み(以下のコピーしたプレスリリース
から、連帯の重要性がご理解頂けるとおもいます)、コペンハーゲンの最終決議で、今以上チベットを破壊するのではなく、アジアに暮らす何億の人々が必要とするチベットの生態系サービスと、チベット人を助ける言語となるようにすることです。
以下のプレスリリースはこれからバンコクで発表されるものです。私達は、この会議に参加するNGO全てのメールを入手しています。そして、チベットジャスティス センターの夏期インターンLianna Louie(彼女の父親は当時チベット国際弁護士連盟と呼ばれた、同センターの共同設立者)によるリサーチに感謝します。なお,このプレスリリースは私達の主張を実証する、沢山のプレス記事や科学的資料のリンクを含んで、近日中にチベット第3極点ウェブサイトに掲載予定です。
同ウェブサイトについては、現在閲覧可能ですが、訂正する箇所を現在調整中です。訂正箇所はダラムサラのウェブマスターに送信されていますが、今後このキャンペーンの重要項目について一般に解りやすく説明した資料を掲載して行く予定です。当初の予定より多少遅れていますが、ご理解ください。そして、是非ご活用ください。
最後になりましたが、多忙のためウェブサイトに関するご意見ご感想について、即答できない場合がありますことを、ご容赦ください。
John ジョンより
国連気候変動交渉にチベット第3極点は世界から集まったNGOとともに気候変動についての正義を訴えます。
2009年9月29日
プレスリリース
コンタクト: John Isom +66 (0) 8 2590 6838 (during Bangkok negotiations)
+1 510 507 1453 (US office)
チベット第3極点は世界から集まったNGOとともに世界で起こっている気候変動危機に対し公平で永続的な解決策を啓蒙するためにタイのバンコクで開催されている国連気候変動交渉に参加します。交渉が与える、チベット人とその下流流域に暮らす10億のアジア人への利害関係は深刻です。
地球の第3極点として知られている北極、南極を除いた地上で第3番目に氷河として淡水を多く貯蔵するチベット高原は、世界の他の地点の2倍の速度で温暖化が進んでいます。
すでに科学者による水資源を含む生態系サービスの破壊が警告されており、壊滅的な洪水の危険や、中国東部とパキスタンに暮らす人々にとって重要な雨量を届けるインドのモンスーンにたいする影響もさけばれています。
これら気候変動危機に対する中国の反応は、2つの行動を引き起こしました。
1つ目は、パキスタン、インドから東南アジアを通り、この地域に、何十ともいわれる広大なダムと分水事業を築き、乾燥度の進む中国に引水し、水の確保をはかります。
第2にチベットの250万人の遊牧民を、この地域の高度の高い草原から強制移住させることによって深刻な人権問題と気候変動危機を深刻化させ、地形規模の”保護”という名の下にグリーンウォッシュ(環境保護を考慮していると世間に思わせるために偽情報[虚報]を流布すること)による隠蔽を行っています。
”(遊牧民に対する)深刻な人権侵害は彼等の、何千年もの間,継続的に高原で暮らす上で必要な、伝統的手法で毎日行われて来た生態系への貢献にも関わらず、起こりました”と
チベット第3極点のメンバーでNGO Guchusumの代表を務める Ngawang Woeber師僧は語ります。
”中国の遊牧民に対する強制移住計画は(彼等の伝統的仕法が)生態系サービスへの充溢 、多様性や回復力に対する貢献が科学的に証明され続けているにもかかわらず、この地域に気候変動が影響が現れて以降、強化されました。何億という人間の依存する生態系サービスの修復、管理、保全に必要な知識を持つ人々を強制的に移住をさせるのは、理解が出来ません。”
”私達は中国のチベット人やアジア人に対する脅威に対抗するため、「チベット第3極点」を設立しました。とチベット第3極点の設立者であるCharlotte Mathiassenは語ります。”私達は、科学者、政府組織、NGOや、その運命と将来がチベット高原の生態系サービスに依存しているアジア全体の人々とともに、連帯と協調を築きたいと願っています”
要請項目;
1;チベット高原の生体系、生態系サービスと、水資源を脅かす土地利用の即時停止
2;総合的かつ独立した調査団によるチベット高原の生態系と生態系サービス(生態系サービスについてhttp://ja.wikipedia.org/wiki/生態系サービス)と土地利用の政策についての科学的評価。
3;チベット人遊牧民の牧草地からの強制移住の即時停止
4;社会的かつ生態系的な影響を調査したデータを使って人間と生態系の適応と緩和のための計画を作り出す。チベット人の伝統的な仕法で継続的な土地利用と自然保護の方法を含む
5;透明性のある、境界を越えて行われる包括的な、意味のある資源管理特にチベット人遊牧民を含む、全ての利害関係者を含んだ決定権のあり方を作り出す
6;チベット高原に計画的な保護地区の設立をし、生態系の正常化をはかり、チベットとその下流域一帯の地域で、伝統的な生活様式と、資源の活用法を存続させる。
今回、気候変動が生んだ問題に対して倫理的なチャレンジを協議するため世界はバンコクに集結しました。宗主権国家は私利を求めるだけではなく、道徳的な責任をもつことを求められるのか、そして、国境を越えた人々に与えられる影響をも、考慮するべきなのか?
私達は、その問いに対してイエスと答えます。そして、バン・キー・ムーン国連事務総長の”(気候変動に関する)交渉は「道徳的要請」構成し”透明性と公平性に基づき導かれるものであり、決定は影響を受ける全ての人を含むとする”に、同意します。
”私達はチベット高原とチベットの遊牧民だけでなく、彼等の高原への貴重な生態系サービス
への貢献を含めた公平で継続的な解決を求めるためにチベット第3極点を
設立しました”と語るのはTibetan Women’s Association とT3P連盟の一員であるKirti Dolkar Lhamoです。”私達はチベット高原が提供する生態系サービスが共有し、生命維持に依存する、全ての生命のために働くつもりです。”
Mandie McKeown & Paul Goldingより
ITSN Campaigns Coordinators
campaigns@tibetnetwork.org
http://www.tibetnetwork.org
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)