チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年10月4日
ダラムサラの野鳥・その4
我ながらうちの窓からだけで(数羽はノルブリンカ)こんなにも多くの種類の野鳥が観察できるとは驚きです。すでに50種類は確認しました。
最初の写真は朝のベランダから。
三羽のタカ(日本の鳶に似ている)が大きな骨を取り合って空中戦。
というか、わざと落としてはそれを再び空中でくわえるという、離れ業遊びを楽しんでいるようにも見えました。
季節が変わった印か、久しぶりにオウムの群を見かけました。
遠すぎてよく解りませんが、頭がグレーのオウムのようでした。
この大型(60cm)の見事に緑なオウムの番いは先日ノルブリンカに行った時、本堂の最上階にあるダライ・ラマ法王のお部屋の窓から撮影したものです。
私の持っている三冊の図鑑の中に見つからず名前は分かりません。
そういえば、石濱先生もインコを飼っていらっしゃるとか?
きっとそのインコ、チベット語を解するのでしょうね。
ところで、オウムとインコはどう違うのでしょう?知らないな、、、
英語ではParakeets(Parrots)だし、
ちなみにチベット語では「ネンツォ」です。
詳しく知りたい人は以下へ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A6%E3%83%A0_(%E9%B3%A5%E9%A1%9E)
Black-throated Tit 12cm
突然の驟雨の中、けたたましい鳴き声を上げながら数羽の見たことのない小さな鳥が窓の前にやってきました。
葉っぱの下でしばし雨宿りの風情。
それにしても笑える顔だが、なんか人(鳥)格を感じさせるような、ダンディーな紳士風でしょうか。
Grey-headed Canary Flycatcher 9cm
このほんとに小さな可愛い鳥も二、三日前から初めて見かけるようになった新参の移動鳥です。
夏には裏山の3000m辺りに巣をつくり、子を育て、山の気温が下がりはじめる秋には次第に里に向かって高度を下げて行くのだそうです。
Greenish Warbler 12cm
日本で一般に「ムシクイ」と呼ばれているこの小さな鳥には実に種類が多い。
この辺だけで10種類以上いる。
一瞬たりともじっとしない。素早く動き回るので、写真を撮るのはおもしろいぐらい難しい。
White-throated Fantail 17cm
これはちょっと珍しい鳥です。
白いくっきり眉毛と襟巻。
白い縁取りのあるしっぽを広げたり閉じたりします。
水辺が好みです。
Himalayan Treecreeper 12cm
この小さな鳥はいつも木の幹を下から上へと虫を探して移動しています。
しかし、長いくちばしで木の皮の下にいる虫をとらえるだけで、キツツキのように幹を叩いたりはしません。
Redvented Bulbul 20cm
昨日夕方始めて見た鳥。
パンク鳥(Bulbul)もいろいろです。
Jungle Owlet 20cm
すでに紹介したフクロウですが。
フクロウ、チベット語で「ウッパ」には面白いチベットの話があります。
「フクロウの頭がへしゃげているのは、ラマからチェガ(頭に手を置いてもらうことで加持を受けること)を受け過ぎたからだ。
目が黄色い(写真ではフラッシュのせいで赤目になってます)のは、油の類を飲み(チベットでは溶けたバターを飲む)過ぎたからだ。
足がひび割れているのは、油を見つけられなかったからだ。(チベット人は足にアカギレ防止のために油をぬる)」
そうです。
Himalayan Great Barbet 33cm
これも紹介済みの鳥。
高い木の上で朝陽を浴びながら、長い時間かけて、入念に毛づくりしていました。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)