チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年10月1日
10月1日 ダラムサラ/北京
北京の張りぼて共産党パーティーに合わせ、今日ダラムサラでは朝9時より、嘆きの行進と集会が開かれた。
今日は出来るだけ黒い服を着て集まるようにと前もってアナウンスされていた。
黒い喪服チュバに黒い鉢巻というスタイル。
もちろん中国じゃないから黒い服を持ってなくてもかまわない。
今日は朝方天気が良くて暑かったが、相当な道のりを行進し、みんな汗だくになりながら、再びツクラカン前に集合した。
チベット国歌斉唱の後、この50年間の犠牲者120万人の霊に黙祷。
その後、9-10-3の会会長に始まり、女性協会会長、国会議長、青年会議議長が其々檀上で演説した。
最後に全員中国に「言論の自由がない」ことをアピールするために黒い鉢巻を口の上に巻き、そのまま30分間無言抗議の座り込みを行った。
家に帰り見なけりゃいいのに、テレビをつけて中国からの放送を見たりした。
延々と続く退屈で、趣味が理解できない、ロボット人間ショー。
久し振りに今年共産党がやりたかった、やる必要があったのはとりあえず、軍事パレードであろう。もともと共産党が特許の軍事パレードは人民に為政者の圧倒的軍事力を示すことで、為政者に逆らう勇気を無意識的に削ごうというものだ。
もちろん、今じゃ世界に脅しをかけているわけだが。
長く見過ぎて、気持ち悪さが講じて本気で吐き気をもよおしてしまった。
私はもう先がそう長くはないので、それほど心配でもないが、今の若い日本人たちはこれを見て未来に暗い予感を感じなかっただろうか?
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)