チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年9月11日
3人の元政治犯に厳刑
9月10日付チベット亡命政府プレスリリースより、
http://www.tibet.net/en/#
<3人のチベット人(元政治犯が再び)が2008年の抗議活動の情報を外部に漏らしたとして長期刑を言い渡された>
ダラムサラ:3人のチベット人が昨年チベットの首都ラサで起こった平和的抗議運動の間に外国に機密情報を流したとして8年から無期懲役の刑を受け、現在も外部との連絡を発たれたまま服役中。
3人の元政治犯、ワンドゥ、プンツォック・ドルジェ及びツェワン・ドルジェは2008年10月ラサ中級人民法院により刑期を言い渡された。
ワンドゥ、39歳、ラサ市タクツェ地区出身は無期懲役、死ぬまでの政治的権利剥奪。彼は以前、ツクラカン(ジョカン)の僧侶であった時、1989年3月8日のデモに参加したとして、3年の刑を受けラサのサンイップ刑務所に収監されていた。その刑務所内において1991年仲間と一緒に「チャムドが中国に落ちた日」に合わせた平和的キャンペーンを行ったことにより刑期はさらに4年延ばされた。
彼は1999年ダプチ刑務所を出所した後、それからラサでHIV/AIDS啓蒙活動を行うNGOで働いていた。彼は結婚しており、子供もいる。
プンツォック・ドルジェ、40歳、ラサのガンジョン・ゲストハウス元従業員には9年の刑期及び5年の政治的権利剥奪。1989年中国当局は彼が政治的キャンペーンに参加したとして10年の厳しい刑を言い渡した。後刑務所内で料理人として働いたということから刑期は8年に減刑された。
ツェワン・ドルジェ、40歳ぐらい、カム、チャムド県パソ地区出身には8年の刑期及び5年の政治的権利剥奪。
彼は長年ラサのツェモン・リン地区に住み巻物絵師(タンカ絵師?)であった。1989年、ラサで平和的抗議デモに参加したとしてサンイップ刑務所に3年繋がれた。
なおチベット亡命政府は2008年3月3日(10日の間違いか?)から2009年8月31日まで平和的抗議活動に参加したことで中国政府の残忍な弾圧の犠牲になったチベット人の人数を以下のように発表した。
死者:223人
負傷者:1294人
逮捕/拘留者:4657人
行方不明者:990人
刑期確定者:371人
以下一部略
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)