チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年8月29日
タクツェ出身の4人の若者に最長刑期15年の実刑
アムド、タクツェと言えばダライ・ラマ法王の生誕地として有名です。
最近亡くなられた実兄で法王が見つけ出される以前にクンブン僧院のリンポチェと認定されたタクツェ・リンポチェの名前は出身の村の名前を取ったものでした。
(この子供リンポチェが優秀だったので、、、その弟もきっと優秀に違いないとみこまれて、、、法王が選ばれた、、なんてことはないでしょうけど)
そのタクツェにおいても去年3月には何度も平和的抗議デモが行われました。
最近、昨年のタクツェにおけるデモに参加し逮捕された人々の消息が一部伝えられました。
このうちの一人の若者には15年の刑が宣告されています。
以下、8月26日付チベット亡命政府プレスリリース要訳です。
http://www.tibet.net/tb/flash/2009/august/460809.html
<タクツェ出身の4人の若者に最長刑期15年の実刑>
ラサ中級人民法院は今年初めタクツェ村出身の4人の若者に刑期を言い渡した。
そのうち3人は去年3月タクツェにおいて平和的デモに参加した者であり、一人は去年3月ラサのデモに参加した者である。
1、 ワンチュック(ロサン・ワンチュック)26歳 刑期15年。彼は僧侶であったが、最近は車の運転手をしていたという。
2、 ツルティム23歳 刑期2年半 彼はワンチュックの弟であり、同じくタクツェでのデモに参加した。
3、 チュペル24歳 刑期2年半
4、 ラクパ・ツェリン22歳 刑期5年。彼は同じくタクツェの出身ではあるが、去年3月ラサでペンキ塗りの仕事をしていた。ラサデモに参加したとして逮捕されていた。
なお、ワンチュックとラクパの二人は現在ラサのチュシュル刑務所に服役中、あとの二人はタクツェの刑務所に服役中という。
――――
今回(去年)の蜂起参加者に対する刑期の長さと以前(1987~95ごろまで)の刑期の長さを比べてみると全般には刑期はぐっと短くなっているように感じていましたが、なぜにこの若者が15年の刑を受けることになったのでしょうか?
ところで、最後にこの彼らの出身地であるタクツェと法王の出身地のタクツェが一緒かどうか?単なる私の思い込みかも知れない。
その場合は失礼。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)