チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年7月6日
7月5日の東京講演より、ジェツン・ペマ女史のお言葉
内の息子もTCV卒業で東京にいるはずですが、やはりこの中に入っていないようです。
以下はH女史がジェツン・ペマ女史の言葉を幾つかレポートしてくださったものです。
*法王様が子供達に言った言葉
「出来るだけ勉強しなさい、行けるところまで行きなさい、
そうすると最も重要なことが解る。
それは善い人間になること」
*人間の価値を高める教育というのは
個々に価値観が違うために非常に難しいが、
子供達が価値を明確に理解することが大切。
*敬意が欲しければ、子供達に敬意を払いなさい。
*TCVの重要な使命は
チベット人のアイデンティティを守ることで
学校の授業で宗教は扱わないが、
buddha darmaを知ることはチベット人として
大切なことなので、
子供達はリトリートを行ったり
誰とも話さない時間を持たせて
自分の内側を見て、自分自身を知る経験をさせている。
*子供の将来の種は 教師やスタッフであり
子供に尽くしていることに誇りを持っている。
*里親が(例えば中学生くらいになって)
将来何がしたいのかと尋ねることは
子供が自分に目を向ける良い機会になる。
*最も重要なことは
質問して,分析して、分析的思考を身につけて
真のものは何なのかを考えること。
*チベット人の間にも、いじめはあるけど
大人がよく目をかけることが大切。
*子供の悲しみを癒すには
(TCVの子供は親と離れて、一生会えない子が多いです)
よくヒアリングすること。
例えば、そういう環境で、悲しみや不安に襲われた子供が
友達に、その胸のウチを話したりして、
その友達も同じ気持ちになって、悲しみを共有すると、
自分だけが苦しんでいるのではないことに気がつき
それが他者を思いやる気持ちになり、
悲しみが癒されていく。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)