チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年6月24日
ダライ・ラマ法王 TCVで仏教講義
今日は朝からダライラマ法王が、3年前から恒例となったTCV仏教講座を行われるというので、TCVホールまで朝8時バイクで駆け付けました。
始まる前に一般市民による、仏教問答会が御前で開かれました。
町のおじさん、おばさんが頑張ってるのを、法王は笑いながら見ておられました。
「チベット人がみんな問答を習い、もっと論理的になれば良いことだ、、、」とおっしゃってました。
講義には今回はテキストを使われました。
今日と明日の二日間、トクメ・サンポの著した「三十七菩提行(ラクレン・ソドゥン・マ)」に沿って、大乗菩薩行の要点を漏れなく説明されるのです。
短いがこのお経はチベットでは有名で、法王も何度も講義されています。
著者のトクメ・サンポは尊者ツォンカパの二代前の人というから14世紀の初めころの人でしょう。
主にサキャ派の教えを中心に学んだといいます。
とにかくこの人はその人柄がよっぽど良かったのか、チベットでは菩薩の見本のような人と見なされています。
テキストはラムリン(悟りへの階梯)の形式を取って簡潔にたった37節で菩薩行の真髄を余すところなく説いています。
なお、以下に行けば、今日のティーチングの英語版を聞くことができます。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)