チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年6月4日
ダライ・ラマ法王・天安門学生民主化運動20周年声明
http://www.dalailama.com/news.383.htm
2009年6月3日:
天安門学生民主化運動20周年を迎えるにあたり、まず、私は他の中国に関心を抱く人たちと共に、もっと民衆の立場に立ってほしいという、多くの人々の要求を表現したが故に、命を失った人々に敬意を表する。
天安門の運動に参加した学生たちは反共産党主義者でも反社会主義者でもなかった。
彼らは中国憲法で保障された人民の権利について、民主主義について、腐敗について語ったのだが、これらはすべて中国共産党政府の理念に合致するものばかりだ。その時の党書記長趙紫陽氏によっても表明されたものだった。だから、来る中華人民共和国建国60周年は1989年6月4日の出来事を再評価する絶好の機会になるはずだ。
中華人民共和国では1989年以来大きな変化が起こった。今や世界的経済大国となり、いずれは世界の超大国にならんとしている。私は中国の指導者たちがもっと真の平等主義に基付く、様々な意見を寛容に受け入れる心の広い政策を実行する勇気と長期的視野を持って頂きたいと希望する。開放的、現実的政策が国内的信頼と調和への道であり、国際的にも真に偉大な国家となることができる道であるのだ。
ダライ・ラマ
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)