チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年5月26日
続マルカム金山を巡る戦い
カム、マルカムにおける鉱山を巡るチベット人の戦いについては先にもお知らせしました。
続報が入っています。聖山に眠っている鉱物とは「金」だそうです。
以下金泥棒の話です。
<金山を巡り対峙する、チベット人村人と中国武装警察隊の間の緊張が高まる>
本日5月26日付phayul、ダラムサラ:
http://phayul.com/news/article.aspx?id=24793&article=Face+off+between+Tibetans+and+Chinese+security+forces+over+gold+mine
RFAによれば、チャムド県マルカム(馬爾康)地区にある聖山セル・グー・ロ(金銀年)の金鉱を守ろうと数百人の現地チベット人が結集している。
中国の鉱山、材木を扱うゾンカイ社は当局からこの山の開発を許可されたというが、
その山は地元のチベット人たちによって毎年、「降雨祭」を行う聖なる山として崇められてきた。
抗議のチベット人たちはすでに数か月、約300人の武装警官隊とにらみ合いを続けている。
しかし、当局はチベット人たちへの補給路を断ち、固定電話、携帯電話も通じなくして、彼らを完全に孤立させ、兵糧攻めにしている。
軍隊は今では、いつでもデモ隊を蹴散らす準備ができているという。
しかし、チベット人たちは「死んでも抵抗を続ける」と宣言している。
ある村人は電話で「今日また新たに4台のトラックが30~40人の軍人を乗せて現場に向かうのを見た。でも我々は全く彼らと連絡が取れなくて状況が判らない」と話していた。
約500人のチベット人が金山に続く道を閉鎖するために路上に寝起きしている。
当局は5月15日に武装警官隊を投入した。
あるチベット人は電話で「我々は<聖山を守るために死ぬ覚悟ができている>と宣言した」と述べた。
先にラプランから逃れてきた5人の僧侶はこれに関する興味深い話を伝えた。
彼らは一年間山に籠っている間に、中国の「資源探索隊」を見かけ、彼らの行動を観察したことがあるという。
探索隊は15人編成で至る所を調査しているという。
彼らの出身地サンチュ地区だけでも三か所の鉱山があるという。
ドギ・ナン鉱山は10年前から、セルダ・ナンとワルン・チョルマ鉱山は二年前から採掘が始められたばかりだという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)