チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年5月17日
王力雄「天葬」復刊/続マルカム鉱山
ウーセルさんの旦那さんの王力雄さんが、チベット問題を論じた本として11年前に出版された「天葬」が「ダライ・ラマ疾走50周年2009年記念版」として最近復刊されたそうです。
http://woeser.middle-way.net/2009/05/blog-post_17.html
一つ前のレポートで当局によるカム、マルカムの鉱物資源略奪の方法についてお知らせしましたが、さっそく旧友のS女史より以下の報告が寄せられました。
本日のブログにあったマルカムの鉱物資源について、亡命政府情報局発行のTibet–A Land of Snow–rich in precious stones and mineral resources(1991)によれば、以下のような鉱物を埋蔵しています。分布図は非常にアバウトなので、地名の地点
は同定できませんが、大雑把に。
マルカムの北部では、
● 金
● 鉄
● 真鍮
● モリブデン鉱*
*yahooの辞書によれば、「クロム族元素の一。単体は銀白色の
金属で硬く、融点がきわめて高い。主要鉱石は輝水鉛鉱。生物体にも少
量含まれ、植物では窒素の代謝に不可欠。ステンレス鋼・耐熱合金・電
子機器材料などに使用。元素記号Mo 原子番号42。原子量
95.94。」
マルカムの南部では
● 岩塩
● 水銀
だそうです。
つまりこんな狭い地域だけでも何でもあります状態のようです。
中国はこの先、世界の聖山チベットを破壊して一体どれほどの鉱物資源を略奪するのでしょうか。
レアメタルを多く産出し、ウランもあるチベットの鉱物資源の価値は計り知れないものがあります。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)