チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年5月16日
続ラプラン、サンチュ中学生の抗議デモ
先月24日、ラプラン、サンチュ(甘粛省甘南蔵族自治県夏河)のプーイ・ロプタ・ディンワ(夏河中級蔵族学校)で起こった中学生による平和的抗議デモについては先にお知らせしましたが、気になるその後の情報が入っています。
RFAにチベットから入った情報によれば、デモに参加した子供たちは親と共に集会に呼び出され、その集会で親たちは「二度と子供にデモさせないこと」を誓約させられたという。
集会には甘南蔵族自治県の書記デンチェンハーが来て子供たちを叱り飛ばしたが、その中で彼は「先生も生徒も一体チベット語を勉強して何の役に立つのか?チベット語を勉強してこの甘南から出られると思うのか?チベット語の小・中学校では一体どんな子供を育てているのか?昔の階級社会に戻るための教育をしているのか!?」とおっしゃったそうです。
先月の平和行進には300人ほどの学生が参加し、要求を書いた横断幕を掲げ、「我々は自由が欲しい! 平和がほしい! ダライ・ラマ法王がチベットにお帰りになられますように!」
と叫んだという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)