チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年5月15日
故趙紫陽・元総書記の回顧録「Prisoner of the State」/スー・チーさん有罪判決確実か
中国もビルマも自宅軟禁にすることとは、第一に口を塞ぐためでしょうが、以下のことは中国政府も想定外の出来事になることでしょう。
この本の影響は少なくないと思います。
先ほどからBBCでも大きく取り上げています。
天安門事件で失脚の趙元総書記、軟禁中の録音が回顧録に
2009年5月15日(金)18:04
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-380424.html?C=S
(トムソンロイター)
[北京 14日 ロイター] 1989年の天安門事件で失脚し、2005年の死去まで軟禁生活を送った中国共産党の故趙紫陽・元総書記の回顧録「Prisoner of the State」が、6月4日に事件から20年を迎えるのに合わせて出版されることが分かった。
この回顧録は、2005年1月に死去した趙氏の自宅軟禁中にひそかに録音された30時間にわたるテープをまとめたもの。趙氏に近い3人の人物に託されて中国国外に持ち出され、英語版と中国語版が出版される。
この中で、趙氏は事件当時について、「(1989年)6月3日の夜、家族と庭先に座っていると、激しい銃声が聞こえた」と振り返り、「世界を揺るがした悲劇は避けられなかった」と語っている。
当時、党最高指導者だった趙氏は、学生らの抗議活動を反共主義の陰謀とした中国政府に反論。「デモ隊のほとんどがわたしたちの問題点を是正するよう求めていただけで、政治体制の転覆を企てていたのではない」と主張していた。
また、天安門事件以降、中国共産党が取った保守的な政策は間違いだったと指摘。さらに、「(国に)活力をもたらすのは西側のような議会制民主主義で、そのゴールを目指さなければ、中国市場経済の異常な状況は解決できない」とも述べ、民主化の必要性を訴えていた。
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スー・チーさんを訴追 有罪判決確実か
http://www.asahi.com/international/update/0514/TKY200905140327.html?ref=goo
【バンコク=山本大輔】ミャンマー(ビルマ)の軍事政権は14日、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん(63)を刑事訴追した。弁護士によると裁判は18日に行われる見通しで、スー・チーさんは刑務所内の個別施設に勾留(こうりゅう)された。
軍政下で訴追されたことで、スー・チーさんに有罪判決が出るのはほぼ確実とみられる。03年5月に国内の遊説先で国家防御法違反容疑で拘束されたスー・チーさんは同年9月から自宅軟禁されており、今年中に拘束期限が来るはずだった。総選挙を来年に設定する軍政は、国民に人気があるスー・チーさんの解放を先延ばしすることで、反軍政の民主化運動を封じ込めたまま、選挙を有利に展開する思惑があるとみられる。
弁護士の話では、スー・チーさんは国家防御法に基づく自宅軟禁下での禁止行為に違反した罪に問われ、有罪となれば禁固3年から5年の刑が科せられる。ヤンゴンの自宅に今月上旬、米国人男性が侵入した際、当局に報告せず男性の滞在を許したことが違法とみなされた。
この日は法廷で訴追手続きがとられ、裁判日程が決められただけで審理は開かれなかった。外交筋によると18日の審理では弁護士2人がスー・チーさんの弁護に立つことが認められたという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)