チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2009年5月15日

アムネスティ 緊急 署名求む

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同じくアムネスティ日本は以下の大事な署名活動も行っておられます。

ーーー

緊急 署名求む
アムネスティ・インターナショナル日本は、以下の署名アクションを求めている。

————————–

期限:2009年5月21日

国名:中華人民共和国

ケース:死刑

対象者:ロサン・ギェンツェン(Losang Gyaltse) (男性)、

ローヤー(Loyar)(男性)

チベット自治区(TAR)の首都ラサの中級人民法院は4月8日にロサン・ギェンツェンとローヤーの2人のチベット人に死刑の判決を言い渡した。2人が控訴するかどうかは不明である。最終的にすべての死刑判決は、最高人民法院で審理され、承認または修正、差し戻しなどになる。2人は数週間以内に処刑される恐れがある。

ロサン・ギェンツェンとローヤー、他に3人の計5人の被告は、放火罪で別々に審理されていた。ロサン・ギェンツェンは2008年3月14日にラサの2軒の衣料品店に放火した罪で有罪となった。店の経営者らはこの放火で亡くなっている。

ローヤーならびにカンツク(Gangtsu)とダワ・サンポ(Dawa Sangpo)は、2008年3月15日にオートバイ売買店に放火して5人を死亡させた罪で有罪となった。カンツクには2年の執行猶予付きの死刑(これは普通、無期懲役に減刑される)が、 ダワ・サンポには無期懲役が言い渡された。

別の裁判で、チベット人テンジン・プンツォ(Tenzin Phuntsog)も2年の執行猶予付き死刑を言い渡された。法院の発表によると、テンジン・プンツォは、逮捕後に罪を認めたので軽い刑の判決を受けたという。中国では、拷問や虐待が依然として日常茶飯事で、裁判でも拷問によって引き出された証拠を排除しない。

法院の発表では、また、5人の被告に裁判で弁護士がつき、審理は5人が使うチベット語に訳されたとのことである。しかし、アムネスティ・インターナショナルは、5人が拘束中に拷問や虐待を受け、不公平な裁判だった恐れがあることを憂慮している。

5人は2008年3月にチベット自治区とチベット人が多く居住する隣接地域で起きた抗議行動中に逮捕された。中国の他地域から来た弁護団が、抗議行動中に拘束されたチベット人をすすんで弁護する公開状に署名したところ、そのような事件を取り扱わないよう当局から警告された。中国の公的メディアによると、抗議行動に関連して罰せられた少なくとも30人のチベット人に政府選任の弁護士がついたという。

背景
3月10日は、1959年にチベット人蜂起が弾圧されてダライ・ラマがインドへ亡命したチベット民族蜂起記念日である。昨年、この記念日にはチベット自治区とチベット人多住隣接地域で大規模な平和抗議行動が次々と起きた。公的発表によると、少なくとも81人が2008年の抗議行動に関連して罰せられた。これまでのケースでは懲役3年から無期懲役の判決を受けていた。その多くが、「放火罪」「略奪」「喧嘩の挑発と騒動の扇動」「国家機関襲撃のための群衆集会」「公共サービスへの妨害」「窃盗罪」などで罰せられ、少なくとも7人が「スパイ罪」や「国外の団体や個人への情報の不法提供」で罰せられた。米国議会中国委員会によると、1,000人以上が2008年3月の抗議行動に関連して拘束されたままで何の釈明もない。

中国は毎年世界で最も多くの死刑を執行している。1982年に廃止されていた最高人民法院による全ての死刑判決の再審理が始まった後、2007年に顕著な減少が見られたようである。アムネスティの中国調査によると、2008年には少なくとも1,718 人が処刑され、7,003人が死刑判決を受けた。Dui Hua基金は、米国に本拠地を置いて中国の人権状況改善に取り組んでいる非政府組織で、地元高官から得た数字から同年に6,000人が処刑されたと推測している。死刑判決と処刑の公的な統計は、国家機密とされる。中国は、死刑囚が裁判を通した申し立てをすべて尽くした後に、恩赦を受けるための手続きがない。

アクション
英語、中国語(北京官話)、あるいは母語で、以下の内容のアピールを作り、航空便、航空書簡(全世界90円)、電報、ファックスあるいはeメールで、できるだけ早く送ってください。
同じ内容のアピール例文が後に続きます。それをご利用ください。

– 当局にロサン・ギェンツェン とローヤーが家族や自分たちが選任した弁護士と面会し、自分たちが要求する医療ケアを受けられることを保証するよう要求する
– 当局にロサン・ギェンツェン とローヤーの死刑判決を減刑するよう要求する
– 全国人民代表者大会に恩赦の法的手続きを導入するよう要求する
– 当局に中国の裁判所が、死刑判決を受けた人たちが弁護や控訴の適切な機会を要求する権利の保護を保証する国連の保護条件など公平な裁判であると認められる最も厳格な国際基準を尊重するよう要求する
– 当局に死刑廃止を視野に入れながら直ちに処刑に猶予を与えるよう要求する

宛先
中華人民共和国司法部
中華人民共和国
北京市100020
朝陽区朝陽南大街10
司法部
呉愛英 部長
ファックス: +86 10 65292345
Eメール: pfmaster@legalinfo.gov.cn
書き出し: Dear Minister

中華人民共和国最高人民法院院長
中華人民共和国
北京市100745
東城区東交民巷27
最高人民法院
王胜俊 院長
ファックス: +86 10 65292345
書き出し: Dear President

チベット自治区主席
中華人民共和国
西藏自治区
ラサ市850000
康昂東路 1
西藏自治区人民政府
向巴平措 主席
書き出し: Dear Chairman

コピー
〒106-0046東京都港区元麻布3丁目4-33
中華人民共和国大使館
特命全権大使 崔 天凱 閣下

できるだけ早くアピールを出してください。期限を過ぎた場合はUAセンターまでお問い合わせ下さい。

(アピール例文)

WU Aiying Buzhang
Sifabu
10 Chaoyangmen Nandajie
Chaoyangqu
Beijingshi 100020
People’s Republic of China

Dear Minister,
I’m writing to you to express my deep concern that two Tibetans, Losang Gyaltse and Loyar, were sentenced to death on 8 April by the Municipal Intermediate People’s Court in Lhasa.

I respectfully urge you, on humanitarian grounds,
– to ensure that Losang Gyaltse and Loyar have access to their family, legal representation of their own choice and any medical attention they may require
– to commute the death sentences of Losang Gyaltse and Loyar
– to introduce a legal procedure for clemency
– to ensure that China’s courts respect the most rigorous internationally recognized standards for fair trial, including the UN safeguards guaranteeing the protection of the rights of those facing the death penalty, which require adequate opportunity for defence and appeal
– to establish an immediate moratorium on executions with a view to abolishing the death penalty.

Sincerely

アムネスティ・インターナショナル日本
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=2329

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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