チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年5月11日
CNNの法王へのインタビュー/アバ、ゾルゲ3人の若者に刑期宣告
昨日日曜日、CNNで二度法王のインタビューが流されたそうです。
私は見逃しており、今のところ、YouTubeにもCNNのネット版にも載っていません。
以下、RFAがチベ語で伝えているところを翻訳レポートします。
5月10日RFA:
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/the-dalai-lama-sees-long-term-hope-for-tibet-05102009215955.html
<法王:長期的にはチベットに希望がある>
法王は、中国はチベットを弾圧することにより、代々伝わってきたチベットの宝を破壊し、チベットに死刑を言い渡していることは確かではあるが、中国も近代化されてきており、長期的には希望が持てる、と話された。
法王:
「中国の頭の固い指導者たちはチベットの文化をすべて消し去ろうとしたし、、今も破壊し続けている。
こうしてチベットの文化が衰退していくのを見て、大多数のチベット人の心の中には大きな苦しみが生まれている。
政策的にチベットには今までにも、今でも大量の中国人が移民して来ている。
このような状況を考えると短期的にはもうチベットには希望がないようにも見えよう、
しかし一方、アメリカやヨーロッパのように益々強く声援を送ってくれる国々もあるし、中国自体も変化してきている。
このようなことを考えれば長期的には希望が持てるのだ。
何れにせよ、チベットの中にいるチベット人たちの固い決意と勇気を決して失うことのない態度は驚きに値する。
私が言うチベットとは今中国が言うところの所謂チベット自治区だけではない。
実際には中国の5つの州に跨っている。
私のチベット人の定義はチベット語を話し、チベットの文化に従う人たちすべてのことだ」と語られた。
今年10月に再びアメリカを訪問されるとき、オバマ大統領との会談が予定されている。
オバマ氏のアドバイザー、ベーダー氏は、中国は法王をチベット問題解決の手助けだと思うべきだと、最近表明している。
「法王の生まれ変わりはどこに生まれられるのか?」との質問に対し、
法王:
「何れにせよ、先代(私)の足跡を辿ることが大事だ。
もしも私がチベットに帰ることが出来ずに外国で死んでしまった時には、生まれ変わりのリンポチェも必ずや自由のある国に生まれ変わることであろう」とお答えになられました。
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最後の「中国なんかには生まれ変わらない」というのは今までにもおっしゃっていますが、一つ気になるのは「10月にオバマ氏に会う」という話。
決定されたことのように聞こえますが、初耳です。
誰がそう言ってるのでしょう?
法王ではなさそうだし、CNNなのか?RFAなのか?
文脈的にはっきりしません。
ちょうどパユルの記事が出ました。
それによると、やはり「He hopes to meet」ということで「希望の話」でした。
それにしても、チベット語だけではチベットの人は誤解すると思いますがね、、、
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次、チベットのニュースです。
<3人の若者に刑期が言い渡された>
http://phayul.com/news/article.aspx?id=24688&article=Court+sentences+3+youths+to+jail+terms
RFAにダラムサラのキルティ僧院の僧侶ツェリンが伝えたところに依れば、
5月7日アバ、ゾルゲの裁判所は兄弟二人ともう一人の若者に刑期を宣告した。
アバのチャシャン・タリンツァン家のジャンペル29歳とラマ23歳に4年の刑期、
チャシャン・カジツァン家のナムコ27歳には3年の刑期が言い渡されたという。
しかし、3人のはっきりした罪状は不明だ。
ツェリンによれば、この地区の様々な裁判所で現在裁判が行われているが、チベット人は弁護士を自由に選ぶことはできないし、罪状は中国が勝手に付けたものばかりだ、という。
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以上はパユルの記事ですが、先ほど直接キルティ僧院のツェリンに電話して聞いてみたところによると:
この3人は去年3月のアバでの大きなデモに参加した後、逮捕を恐れて山に逃げ隠れていた。
しかし8月には発見され逮捕された。
そのまま今まで拘留されていた。
今回、デモをし、逃げたということで刑期を受けたのだろう。
と言うことです。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)