チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2009年5月8日

ガワン・サンドルさんの訴え

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獄中で撮影された15歳ぐらいのガワン・サンドルさん写真はダプチ刑務所内で撮影された、15歳ぐらいのガワン・サンドルさんです。
この写真が有名になり彼女の解放運動が盛り上がりました。
彼女は刑務所内で他の尼僧13人とともにチベット独立の歌を歌ったとして刑期を8年延ばされました。

まず、YouTubeの以下の二本のビデオをご覧ください。

一本目は12歳から11年間獄中生活を経験したガワン・ワンドルさん
http://blog.studentsforafreetibet.org/2009/01/29/profiles-of-courage-day-41-january-29th/

がチベットの死刑囚解放を世界に訴えておられます。
http://www.youtube.com/watch?v=jW9OZ6LUHgA

彼女の話を訳すと:

「私の名前はガワン・サンドルです。
32歳です。
監獄で11年間を過ごしました。
ただ、チベットに自由を、ダライ・ラマ法王に長寿をと言っただけで。

4月8日、中国は二人のチベット人に死刑を言い渡しました。
ロプサン・ギャンツェンとロヤに。
私は世界中の人々に、この処刑を止めさせるために手助けしてほしいのです。

チベットに正義は存在しません。
チベットで私は一度も公平な裁判を受けたことはありません。
中国はチベット人の命などどうでもいいと思っているのです。

私が解放されたのは、世界の人々が中国に私を解放するようにと圧力をかけて下さったからです。
どうか、ロプサン・ギャンツェンとロヤの命を助けるために行動してください。
私は知っています。あなた方が(状況を)変えることができると」

ーーー

SFTが行っているチベット人死刑囚解放のための署名活動については以下に

http://apps.facebook.com/causes/petitions/155?m=96c73c39

ーーー

同じく、世界が関心を寄せ、運動することで最近解放されたと思われるラプラン僧院の僧侶ジグメが、二度目に逮捕される原因ともなった、彼がメディアの前で証言した、チベットや監獄の状況をしらせるビデオを以下で見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=Ac-V82xAaUg&eurl=http%3A%2F%2Fmixi%2Ejp%2Fview%5Fbbs%2Epl%3Fid%3D38822723%26comm%5Fid%3D7228&feature=player_embedded

早く日本語版が出回ることを望みます。

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チベット・ジェノサイド裁判というものがスペインで開かれたことは以前お知らせしましたが、その判決が出たそうです。

パユルにもレポートは出ていましたが、ICTのレポートをイギリスの瓜子様が翻訳して下さいましたので以下掲載します。

ICTレポート(INTERNATIONAL CAMPAIGN FOR TIBET NEWS )
http://weblog.savetibet.org/2009/04/30/in-search-of-justice-testifying-on-tibet-in-madrid/
2008年5月5日
スペイン最高裁の裁判官はチベット自治区党張慶黎書記長を含む、中国法務部代表8人に判決を通達した。

今回の判決は2008年3月以降続いているチベット人に対する厳しい取り締まりに関し、チベットの人々に対する犯罪についての調査を懸案事項に含む。
裁判官は中国外務省に対して、もしスペイン国内の裁判所での被告人に対する質問が拒否された場合には、中国国内で行われることができるよう許可の申請をした。
Santiago Pedráz裁判官はまた、チベット内の刑務所と抗議行動の起こった主要地を視察する許可を申請し、インド政府にもダライラマと亡命政府の拠点であるダラムサラでチベット人目撃者に証言をとる許可も申請。

この訴訟は現在スペイン最高裁判所で” 普遍的管轄権” に基づき現在進行中の2つのチベットに関する訴訟のうちの一つで、これによって最高裁はテロや戦争犯罪、拷問の関連が認められた場合には国境を越えてアクセスが可能になる。

特に昨年の武力鎮圧を含む、2006年以降に関するこの訴訟はTibet Support Committee of Spain (CAT) と Fundacion Casa Del Tibet, Barcelona(バルセロナ、チベットハウスファンデーション)から起こされ北京オリンピックの開幕わずか数日前に、裁判所に受理された。

Judge Pedráz裁判官は中国当局に、 AFP通信社 (May 5, 2009)によって指摘され提出された、今訴訟に関する裁判の参考書類によると、2005年に中国はスペインと二国間の司法協力協定に署名したことについて指摘し”私たちのそれぞれの二国間の友好関係を考え,私の要求に対して良い回答をしてくれることを望む”と書面で発表。

裁判官はさらに、これらの告訴内容が実証されれば、人道侵害の罪でスペイン法と国際法の両方で裁かれることになると発言。

”チベット住民は政治的、民族的、文化的、宗教的、国際法のしたで世界的に認められないとされているその他の動機などによって迫害されてるグループのように見えるだろう”と同氏は、書いたとAFP通信の報道。

裁判所によって公表された判決内容では Pedráz裁判官は”現在訴訟手続きの経過で調査中である、チベットの人々に対する人道侵害の犯罪の関与”について” 中国の指導者を質問することの必要性を強調.
また同様の書面の中で訴訟に関する書類のコピーが同封されている事にふれて”スペインの刑事法
と刑法775に乗っ取って弁護する権利を行使するためには、
もし被告人がこの(スペインの)最高裁でそうするのを拒否した際には、中国国内にて中国法務部から中国への被告人質問を行う司法許可を得るため、
スペイン国内で連絡が可能な指定されたアドレスをもつことが必要です。”と
ある。

起訴状によると8名の中国当局関係者、被告人の中には以下の3名も含まれている。

– チベット自治州チベット自治省の共産党書記Zhang Qingli(張慶黎)
ダライラマに対する悪意に満ちた声明や、チベットにおける愛国教育のキャンペーンなどで知られ、チベットにおいて反感や不安を招いたとされる。

– 新疆自治区ウイグル自治区トップの共産党委員会書記、
ウイグルの人々に対して、一連の強硬政策の指揮をとった
中国共産党中央政治局Wang Lequan(王楽泉)

– 前中国少数民族对外交流教会会長、チベっとを含む中国の西部地域全体の経済政策の指導計画の実施にしていた Li Dezhu(李匇洙)
  
今回の訴訟の指揮を執ったのは、
Jose Elias Esteve Moltoバレンシア大学国際法学科教授と、Alan Cantos のSpanish Tibet Support Committee(スペインチベット支援委員会)で海洋学の研究者は、今回の訴訟についてこう語った。

「我々は国際法を用いてチベットの人々に正義を求めると同時に、中国政府指導者に対してはっきりと責任をとうことの出来る方法を調査しました。現段階ではまだわかりませんが、起訴された中国指導者らの証言要求に従うことが彼等によって拒否された場合には、スペインと犯罪者引渡条約を結ぶ国の国内で、彼等を逮捕することができます。これはインターポール(国際刑事警察機構)による規約であり、個々の政府によるものとは関係なく施行されるものです。

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この裁判にはダラムサラからパルデン・ギャツォ、ジャンペル・モンラム、バクドの三人が呼ばれて証言台に立ったのでした。

パルデンさんにこの前(去年の終りか?)会ったとき、この裁判の話が出て、パルデンさんは嬉しそうに「これで中国の指導者たちが有罪になったら、彼らがどこか外国に行ったら、すぐその国の空港で逮捕されることになるんだぞ、ハハハハハ」と
言われたので私が「本当にそうなるのかな?、、、」と要らぬことを言うと、
「そりゃその国にもよるだろさ。腰抜けの国はできないだろうよ、、、」
とおっしゃっていました。

それにしてもスペインの司法面は進んでいるようです。

以下、中国はこれに対し、もう処置は国内法によって終わった後だ、と答えたとか。
つまり有罪と認めたのでしょうか?

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中国、パリ市に授与見送り求める ダライに名誉市民で
– 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009050701000811.html

 【北京7日共同】中国外務省の馬朝旭報道局長は7日の定例記者会見で、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世にパリ市が名誉市民の称号を贈る予定であることについて、「チベット問題で再び過ちを犯すべきではない」と述べ、称号授与を見送るよう求めた。

 中国とフランスの関係はチベット問題をめぐり冷え込んでいたが、4月初めにロンドンで両国首脳が会談して修復したばかりで、馬局長は「関係者の努力で両国関係が発展軌道に戻ったことを指摘したい」と語った。

 また、スペインの判事が昨年春のチベット弾圧を主導したとして中国の梁光烈国務委員兼国防相ら8人の高官の取り調べを中国に要求したことには、「中国政府は法に基づいて処置した」などと反論した。
2009/05/07 19:23 【共同通信】

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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