チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年5月5日
カム、タウ地区の弾圧
5月4日付RFAに依れば,
<カム、タウ地区に中国は公安を送りこみ弾圧を強める>
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/tibetans-in-kham-tao-under-constant-scrutiny-05042009222544.html
カム、タウ地区(カンゼの南東150キロ)では今年3月から中国政府への抗議の印として、耕作拒否運動が続けられている。
このほど、当局はこの地区に公安職員や警官を動員し、耕作拒否をしている者、及び耕作拒否を訴える張り紙を張り出した者を密告した者には1万元以上の報酬が支払われると広報している。
また、チベット人たちは毎日集会に呼び出され、嫌がらせをうけているという。
4月29日にはこの地区の尼僧院にキャンペーンの集団が押しかけた。
尼僧たちはそのようなことには関係していないと主張し、彼らを僧院内に入れようとはしなかった。
言い争いとなり、尼僧たちは彼らの車に石を投げたりしたという。
その後、尼僧たちは報復を恐れ、僧院から離れるしかない状況になっているという。
以上の情報は南インド、ガンデン僧院の僧ロサン・ジャミヤンがRFAに伝えたものだ。
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中国は本当に密告が好きだ。
去年3月ラサのデモに参加し逮捕され、その後解放されたチベット人の話が同じRFAで紹介されていましたが、そのチベット人の言うには、拘置所で尋問を受ける時に、初めからとにかく最低5人のチベット人を密告するようにと強制されたという。
他の5人の名前さえ挙げれば、本人は解放されることもあるとか。
名前は誰でもいいという、つまり実際にデモに参加していなくてもかまわないということだ。
もしも、5人の名前を挙げなければ、殴られる、拷問される。
名前を挙げられた者は逮捕され、証人は彼の名を挙げた者となる。
だから、密告は効率よく、肉体的にも、精神的にもチベット人にショックを与え、痛めつけることができる優れた制度だと中国では賞賛されているらしい。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)