チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年5月3日
ボストンで法王は中国の知識人学生に囲まれ、、、
4月2日付パユル、Boston, Massachusetts:
http://phayul.com/news/article.aspx?id=24599&article=Dalai+Lama+meets+Chinese+intellectuals%2c+students
大勢の中国の知識人や学生を集めた集会の中で、法王は「チベット人と中国人は友好協会を発足すべきだ。オーストラリアで既に前例もある」と話された。
法王は「1989年の天安門事件の後、多くの中国の学生たちが外国に避難せざるを得なくなり、このときからチベット人は彼らに近づきやすくなった。
抗議の結果中国を出た学生たちは、チベット人と同じような経験をしているので、お互いの連帯も生まれたのだ」
「我々は古い難民で、彼らは若い難民たちだ」と法王は話された。
この会の議長はハーバード大学の中国歴史、哲学教授であるイェンチン氏であった。
会議では多くの学生が、中国政府のダライ・ラマ法王に対する非難や、チベット・中国問題に対する欧米メディアの姿勢などのチベットに関する様々な側面について活発な議論を交わした。
法王は、胡錦涛氏が唱える調和社会を促進させるには「信頼がカギだ」、しかし今の中国の政策は彼の言うような調和社会を作るには逆効果だ、とコメントされた。
法王は様々な質問に答えられながら、チベット・中国会談の説明をされ、チベットの三つの地区全体の真の自治要求の背後にある論理について説明された。
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法王は本当に勇気があると思う。
胡錦涛は同じことをアメリカでチベットの知識人・学生を前にできるであろうか?
もちろん、できない。
法王とは違って、隠しごとで一杯だから。
外でも、中でも本気に護衛されていなければどこも気楽に歩くことなどできないのだろう。
可哀そうな指導者たちだ。
昨日のおしゃべりの続きでもう一つ最近思うことがある。
すでに耳にタコの「経済危機」についてだ。
各国政府はここぞとばかりに何百兆円というお金を刷って、銀行をはじめとする企業を救おうとしている。
彼らは有り余る金をみんなしてばくちに使って、調子に乗りすぎて計算どうり、摩ってしまっただけだ!
その金はみんなが汗して稼ぎ、貯蓄した金だ。
そして、今度は彼らを助けるためにみんなの税金が使われる。
みんなが借金を背負う。
本当?はこんなに金はあるんだとびっくりするほどに各国首相は大金持ちのように金を使う。
このばくちの余波で職を失う低開発国の貧しい人々には使われない。
嘗て、村上龍氏が書いた、、、題はよく覚えていないが、「もしもこのお金がこのように使われていたら、、」とか言う趣旨の本のことを思いだす。
彼はその中でそのころ、日本政府が各大手銀行を救済するために何兆円もの金を使っていることについて、もしもそのお金が所謂良いこと、教育、医療、などの事業に使われていたとしたらどれだけ世界中の人々の福祉に貢献できたか、ということを具体的プロジェクトと予算を示しながら説明している。
何兆円でも相当のことができるのだ、何十兆円もあれば世界中を楽園にできたかもしれないのだ。
少なくとも、中国からチベットを買えたかも知れないのだ!?
その経済効果は計り知れないものがあるだろうに。
何かおかしいとは思わないのか?
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)