チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年4月30日
焼身自殺を図った僧タペーの情報を海外に流した僧が逮捕後行方不明
Phayul,Dharamsala,4月30日:
http://phayul.com/news/article.aspx?id=24588&article=Residents+concerned+about+monk+who+smuggled+information
ダラムサラ、キルティ僧院のプレス・リリースによれば、
アバ地区のチベット人たちは、今年2月27日焼身自殺を図った僧侶に関する情報を外国に流したとして逮捕された僧侶の安否を気遣っているという。
アバの人々は僧ジャミヤン・プンツォック35歳の居所を知るために様々な役所に問い合わし探したが、今だ行方は判明しないという。
彼はすでに死んでいるとの噂も流れているという。
中国の警察は、僧タぺーが焼身自殺未遂をした数日後に、キルティ僧院の部屋から僧ジャミヤン・プンツォックを逮捕した。
新華社は3月5日、僧ジャミヤン・プンツォックがチベットに外国からの関心を引くために僧タペーの情報を流したことを認めた、と伝えた。
一方、中国は四川省の病院に隔離されているとされる僧タペーへの面会は誰にも許していない。
リリースの中で、中国当局が僧タペーの両足を切断しようとしたことは銃撃の証拠を隠すためであったとコメントされている。
リリースによれば、僧タペーの容態は回復しているにも拘らず当局は彼を解放しようとはしていないという。
TCHRDによれば、中国当局は先月僧タペーの母親に対し、「息子さんの命を救うために両足を切断しなければならない」と言った。しかし、これに対し本人は手術を拒否しているとも伝えられていた。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)