チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年4月30日
ラサの公務員は仕事もせず毎日愛国歌を練習強要
4月29日付RFAによれば、
<ラサのチベット人公務員達はこのところ毎日愛国歌を練習することを強要されている>
ラサの中国政府の役所では、チベット人たちは仕事をやめて毎日歌の練習をやらされているという。
RFAにラサからの情報として入ったところによれば、現役の公務員だけではなく引退組も駆り出され、歌を歌えない者も全員強制的に合唱や独唱の練習をさせられているという。
この歌の練習の目的は、来る5月1日のメーデーの日に役所対抗の歌のコンテストを催すためだ。
役所の長は必ず独唱を求められるという。
歌の内容はもちろん「共産党を讃え、愛国心を助長する」ものに限られる。
ダラムサラでも受信できるラサ・テレビとか四川テレビ、青海テレビを見ていると(吐き気がするので長くは見ておれないのですが)、それでなくとも「クンデータ~~ン・ヤポドゥ~~~(共産党は素晴らしい)クンデータ~~ン・ヤポドゥ~~~、クンデータ~~ン・ヤポドゥ~~~、」とただただ何分も連呼する歌は嫌と言うほど流されています。
中国式洗脳・プロバガンダ・マニアルはまるで子供だましだが、それでも子供は引っかかるのでしょう。
中国は今も民衆は愚民のまま、盲目のままと思っているのでしょう。
「チントゥル・マクミ・ヤポドゥ~~~~(解放軍は素晴らしい)、チントゥル・マクミ・ヤポドゥ~~~~、チントゥル・マクミ・ヤポドゥ~~~~」
それにしても、式典で各省庁のボスが演説の代わりに一人ずつ共産党を讃える歌を高らかに歌うというのは、、、笑えるでしょう。
はっきりしてていいですね。
どうせ演説したって内容は一緒なんですから。
1998年5月1日にはダプチ刑務所内で大規模な抗議デモが起き、その後凄惨なシーンとなりました。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)