チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年4月21日
逮捕と拷問を恐れ、チベットの僧侶が自殺
<逮捕と拷問を恐れ、チベットの僧侶が自殺>
http://phayul.com/news/article.aspx?id=24508&article=Fear+of+arrest+and+torture+drives+Tibetan+monk+to+suicide
ダラムサラ、4月21日phayul.com:
21付、亡命政府リリースによれば、青海省、黄南チベット族自治州、レゴン(同仁)県でシェドゥップという一人の僧侶が中国の警官に逮捕され、拷問されることを恐れて自殺したという。
情報によれば、僧シドゥップは40歳前後、4月2日頃自殺したという。
彼が自殺したという僧院の名前は確認されていないが、ドワドにあるタルジャン僧院ではないかと考えられている。
情報によれば、僧シェドゥップは昨年の3月レゴンで起こった抵抗活動に関わったとして逮捕され、尋問中に激しく殴打、拷問されたという。
その後、彼は解放されたが、先月の蜂起記念日を前に張り出された指名手配状に再び彼の名前が記載されていた。
逮捕と拷問を逃れるためについに彼は自殺したのだ、という。
彼は一度インドに逃れ、南インドのガンデン・ツァンツェ僧院ルブン学堂に「学後決定」のために留学し、再びネパール経由で2006年故郷に帰ったという。
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仏教、特にチベットの仏教では自殺は非常に重い罪であり、その者は「500生を経ても人の生を再び得ることはない」と一般に言われるほどである。
大体人の生を得ること自体「100年に一度大海に上に頭をもたげるウミガメの首に、同じくその大海を漂流する頸木がちょうど嵌るほどに」稀なことと言われているのだ。
その上、僧侶であれば、破戒にあたる。
日本人が自殺したのとは違う?のだと思った方がいいと思います。
それでも、自殺する僧は昔も今もいる。
それほどに中国の拷問の恐怖は耐えがたいということか。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)