チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年4月17日
バタンで警察署に放火/獄中の老印刷職人に国際的賞が贈られる
4月16日付RFAによれば、
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/tibetans-protest-in-bathang-area-04162009222846.html
カム、バタン県でチベット人が抗議
今月14日の夕方、カム、バタン県のガンリ地区のチベット人たちが地区の警察署に火を放ったという。
火災により負傷者がでたのか、逮捕者が出たのかについての情報は今だ錯綜している。
このガンリ地区では昨年、愛国教育キャンペーンに来た役人や警察に対し地元のチベット人たちは石を投げ、衝突するという事件があった。
その後の逮捕を恐れ多くのチベット人が山に逃げ隠れていたという。
昨年3月9日には地元の警察署に爆発物を仕掛けたという嫌疑も掛けられた。
警察署に放火したとすれば、この地区の抵抗活動が激しさを増していると思われる。
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この可哀そうなおじいちゃんの話は去年逮捕されたときお知らせしました。
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2008-12.html?p=2#20081210
以下は嬉しいといえば嬉しいニュースですが、今監獄でどのような状況にあるのかが非常に気になります。
今、先日ラサで死刑を宣告された4人の解放運動が盛んになりつつありますが、この老いたパルジョル氏の解放も是非要求してもらいたい。
監獄で死なせたくはないと思うから。
チベットの出版人が国際出版の自由賞を贈られる
パユル、ダラムサラ4月17日:
現在中国の刑務所に服役中である、今年81歳になるチベットの印刷職人、出版人パルジョル・ノルブ氏に2009年度の「ジェリ・レイバー国際・出版の自由賞the Jeri Laber International Freedom to Publish Award」が贈られることが発表された。
the International Freedom to Publish Committee (IFTPC) of the Association of American Publishers (AAP)は4月16日、現在監獄にいるパルジョル・ノルブ氏が、大きな政治的障害にも拘らず、自らの身の危険をも顧みず、半世紀にも渡ってチベットの文化を守り出版に尽力して来た功績を認め、この賞を贈ることに決定した、と発表した
正式な授賞式はニューヨークのAmerican Museum of Natural History PEN Annual Galaで28日に行われる。
昨年三月の蜂起後半年ほど後、10月31日、パルジョル・ノルブ氏はラサの自宅から、警官により連れ去られた。これは彼にとって4度目の連行だった。
彼の家系は代々僧院の経典を印刷し、出版してきた。彼は禁止されている「雪山雪獅子チベット国旗」などの発禁物を印刷したとして逮捕された。ペルジョル氏は昨年11月に秘密裏に裁判に掛けられ7年の刑を言い渡された。家族にも友人にも彼の居場所は知らされていない。
IFTPC会長ハル・フェセンデン氏は「中国が国民を弾圧し、文化を規制し、表現の自由を破壊するために今も執拗な努力を行っていることは、この70年にも渡り印刷のマスターとして仕事を通じチベットの文化を守ってきた、パルジョル・ノルブ氏に対するこの刑期に象徴的に現れている」と受賞者発表の席で語った。
「IFTPCはペンジョル・ノルブ氏のケースにおいて中国は自国の法律を冒していることを遺憾に思う:容疑不明、弁護人なし、秘密理の刑期確定、そして家族に行方を知らせないことなどだ。我々は国際コミュニティーと共にパルジョル・ノルブ氏の、書かれ印刷されるものに対する責任を通じて、絶滅の危機にある文化を守ろうとした決意に賞賛を送ると共に、彼が一日も早く解放されることを要請する」とも語った。
この「国際・出版の自由賞」はアメリカ以外で、政治的弾圧、表現の自由への弾圧を前に勇気と不屈の精神を示した出版者に与えられるものだ。
以下、パルジョル氏の略歴が載っていまが、省略させて頂きます。
尚、この賞については以下に:
http://www.publishers.org/main/PressCenter/Archicves/2009_April/JeriLaber2009.htm
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)