チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2009年4月15日

あるダラムサラの送別会

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12.4,09 dharamsala去る日曜日ダラムサラをいよいよ後にするという、数人の日本人友人のために、レストランの直子さんが家を提供し、育子さんが料理長となり豪勢な料理の並ぶ、バイバイ・パーティーが開かれました。

その中心は何と言っても10年住み慣れたダラムサラをいよいよ離れるという小川氏です。
1999年にダラムサラに来られ、メンツィーカン(チベット医学院)に外人として初めて試験に受かって入学し、2007年にめでたく卒業され、一年のインターンを終え、正式なチベット医学のお医者さんになって、このたび帰国されるのです。

この報告も小川氏が日本に着く前に帰国が知れると成田に人が押し寄せて大変だから、ブログに出すのは遅らせてくれ、と言われていたので、やっと今日レポートできたのです。

日本に帰られてからの活躍が期待されるところです。
講演依頼受付中だそうです。
詳しくは以下へ、ヒマラヤの高山植物と薬草の話が連載されています。
http://www.kaze-travel.co.jp/tibet/tibet_ogawa_index.html

ちなみに小川氏は写真左より3番目です。

子供を診療中の柿原先生今日は特に隣の柿原先生の話を少しさせて頂きます。

先生は2004年、ルンタ・プロジェクトのホーム・ページをご覧になり、ダラムサラに連絡して来られました。
子供の医療の手伝いを最低一年間されたい、ということだったので、TCVに相談したところ、ダラムサラから2時間ほどの所にあるTCVゴパルプール・スクールで診療して頂くことになりました。

先生は最初一人で来られ、そのうち奥様と二人の子供も連れて来られました。
奥様が特にインドに来て住んでみたかったようで、子供は無理やり連れて来られたのだそうです。
お子さんは二人とも男の子で小学3年生と6年生でした。
学校は一年休学させたそうです。

ホームで診療する柿原先生二人はこんな田舎の難民学校に来て、ゲーム、テレビがないマイナス、みんながいつも近くにいてサッカーが毎日できて、自由に遊べたのがプラスだったそうです。

今でも時々、日本で食事の時、息子が「まずいな、、」と言ったりすると、お父さんは「そんなこと言って、世界には食事も満足にない人たちもいるんだぞ」というと、息子は「それは社会が違うから、、、」と答えるそうです。
色んな社会があることは経験してきたようだ、とお父さんは思うのだそうです。

先生はそのころ新潟大学の小児科で働いておられました。
それからも毎年、春1~2か月このゴパルプールに診察に日本から来られます。
みんなのカルテがあるから、どうしても気になって続けてしまわれるようです。

2005年にはチベット本土にも行かれ、チベット人が抑圧されている様を見て来られたとか。

毎年1500人ほどの生徒全員の身体検査をされます。
中には、心臓に穴が開いている子供を見つけることがあるそうです。
中耳炎の子供も多いそうです。
一般的にチベットの子供たちは我慢強くて、中々病気になったり、熱が出ても診療室に来ないそうです。
一人の女の子は結核で肺水腫になっているのに、まだ試験勉強を続けていたそうです。
死にかけてやっと判ったそうです。

写真は小川氏から頂いたものです。
数年前、先生はお弟子さん二人を連れて来られました。
診療中の柿原先生と二人のお弟子さん。
ホームに出向いて診察する先生。
校内散歩中の日本人医師三人学校の中を散歩する三人です。

先生は最近、日本で将来働くために日本語をインドの大学で勉強するチベットの学生を支援する、というプロジェクトを始められました。

同時に新潟に日本食レストランを友人の方と初められたそうです。
これは、その日本語が話せるようになった子供が、将来日本に来た時のとりあえずの仕事場を提供するためでもあるそうです。

もう一人紹介しないといけません、北海道の石丸さんは写真右から5番目。
石丸さんは<チベット・フレンド・シップ北海道>という会を主催され、ずっ~と以前からデラドゥンにあるデキリンというチベットの身体障害者のための施設を援助しておられます。
その施設のほとんどは石丸さんを通して日本から寄付されたものです。

このところ毎年のようにダラムサラに来られています。
小川氏と一緒に帰国されました。

その他は写真左端はおいて、次は直子さんの長女チュニ、小川氏に柿原先生、隣は瞑想家の水野氏、石丸さんに直子さんの旦那のソナム、ソナムの前にシェリー(日本人です。今度四国の高松でチベットのイベントをやると言っております)その前、その日のシェフの育子さんは最近<butoo>に凝っておられます。最後が直子さん。
この写真を撮ってくれたのが今度再びダラムサラでゲストハウスを始めるというチエちゃん、
この他にタブラの演奏を聞かせてくれた長谷川さんで全員です。チカもいたか、、、

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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