チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年4月7日
「心と生命」科学者との対話
ダライ・ラマ法王は科学者たちと「心と生命」会議を行われている。
この恒例の会議は昨日から始まり5日間、4月10日までパレスの中で行なわれています。
取材に行かなかった(リチャード・ギア、ロバート・サーマン教授も来られているとか、おしかった!!!)ので取りあえず以下phayul の記事を要訳します。
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ダラムサラ、4月6日付:
今回の会議の議題は「Attention 注意(集中)、 Memory 記憶(念)そしてMind 心(意識)・心理学的、神経科学的、瞑想的視点のシナジー(共鳴作用)」
で、まず法王の基調講話によって始められた。
会議は第18回目であり、第一回会議は1987年であった。
この「心と生命の対話」は、もっと一般的に言えば「仏教と科学の対話」であり、これは最初、法王と著名な科学者を引き合わせることで厳しい、厳密な交換が起こるであろうとのもくろみで始められた。今ではルイジアナに拠点を置くMind and Life Institute (MLI).が毎年この会を主催するようになった。
今回の第18回会議では、主観的現象学、(知覚)情報伝達作用、及び気付き、記憶、意識の神経メカニズムを中心に科学と仏教の視点から考察が加えられる。
MLIの会議ノートには「集中と記憶と意識の関係は心理学的、神経学的研究において興味深い分野であるが、それは仏教においても同様に特別の興味と研究の対象であった。
それは、集中(attention)と念(mindfulness・気付き・サティ)の瞑想的洗練を通して人は(初めて)苦しみと至福の特徴、源そして人間意識の可能性についての洞察を得ることができるからだ」と書かれている。
法王はこの会議は20年来の友人達との「再会の集い」だと語られ、「会を重ねて来て、少なくとも我々は、まずは現実(reality)、外在的現象、粒子そして自分たちの内的世界に関する知識、
特にもっとも微妙な内的世界である感情に関する知識に貢献できたと思う」と語られ、続けて、
「我々の議論は、普段あまり自分の心のことを考えない人たちの関心を喚起したと思う。
必ずしも宗教の話としてではなく、単純に我々は心を、意識を、経験と感情を持つ生命体であるが故に、自然にそれらを無視できないだけなのだ」
「我々は幸せを欲する。そして幸せは心の一種だ。だから、喜びの意味も感情と心に関係している。だからそれらについてもっと知るべきなのだ」
科学の本質に関する質問のみならず、会議では様々な科学分野において問われるべき、より広い哲学的、道徳的、精神的問題についても討論される。
現在MLIでは瞑想家たちと共同した数々の科学研究プログラムを行っている。「心と生命」の科学者たちの中心課題は、瞑想とか心の修行という観察的瞑想修行の効果がいかに脳や行動に現れるのかを研究し、その成果をすべての分野の人々が使える有効的道具に変換することだ。
この意味でも、法王との対話はこの「心と生命」プログラムのハイライトでもある。
17世ギャワ・カルマパ、ハリウッドの仏教徒スター リチャード・ギア、そして仏教学者・作家でありハリウッド・スター ウマ・サーマンの父親でもあるロバート・サーマン教授などがこの会議に出席している。
さらなる情報はhttp://www.mindandlife.org/conf09.dharamsala.html
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要するに、「止・観」の状態・効果を科学的に観察、分析して、それを日々の生活に役立てようという話ですかね?
観察、分析だけでなく実践しないと効果はでないでしょうけど、、、これで「止観薬」とかが開発されるといいですね、、、失礼、冗談が過ぎました。
実際非常に興味深いのですが、残念ながら当然参加できませんでした。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)