チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年4月4日
遅れて知らせが入る抵抗の跡
以下4月3日付、RFAのチベット語版より。
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/more-peaceful-protests-reported-in-kardze-04032009223300.html
亡命政府に入った情報によれば、3月22日 カム、カンゼ(カルゼ)で平和的デモを行った尼僧二人が逮捕された。
ミネ尼僧院の26歳のペマ・ヤンツォとニマ・ゲシェはデモを行った後、公安に逮捕・暴行された。現在まで彼女たちの行方は分かっていない。
その他、3月16日には同じくカンゼでロサン・ギュルメが、チベットの独立と法王の帰還を要求するデモを行った。殴打の上、逮捕された。
彼の家には妻、子供3人と祖母が残され、働き手は他にいないという。
彼の行方も依然不明だ。
カンゼ地区には武装警官、軍が増強され、人々は精神的にも物質的にも困窮状態にある。
学校さえ、継続的に開くことが難しくなっているという。
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カンゼ地区では3月10日以降、3月末までに判っているだけでも28件の抗議デモが起こり、60人以上が逮捕されている、と現地からの報告がある。
このところ、少し前に起こった事件や逮捕の情報が多く寄せられて来ているようです。
これは、情報提供者がその地を離れて、センサーされにくい安全な場所に移動してから伝えるということが多いこととも関係するようです。
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本日付のphayulより。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=24388&article=Monk+arrested+for+allegedly+leaking+state+secrets
RFAに入った情報によれば、今年3月11日、アムド、マチュ県(甘粛省、甘南チベット族自治州)ヌルマ僧院のチュクサン36歳は「国家機密を漏らした」としてサンチュ県のラプラン・タシキルで逮捕された。
彼は亡命中の「分離主義勢力」にデモ、逮捕、殴打等の情報を流したとされている。
彼も現在行方不明だという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)