チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年4月2日
続・ダンゴ地区の耕作拒否農民を逮捕・殴打
カム、ダンゴでは先の27日に、農民に耕作拒否を訴えた一人の僧侶が撲殺されるという事件が起ったばかりであるので、地元の農民たちは断固とした態度で耕作拒否を続けようとしている。
そこで、当局は村々を回り、暴力の脅迫によって強制的に種まきをさせようとしているようです。
いつものことですが、どうして中国当局は「ほっておく」ということを学ばないのでしょうか?
耕作拒否など、ほっておいて何の問題が起こるというのでしょう。
常に棍棒と銃で権力を示し続けないと気が済まない、染みついた野蛮な恐怖政治体質の現れです。
誰か、少しは人間的に、静かに座って話し合うことを教えてやってください。
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以下4月1日付TCHRDプレス・リリース要約。
http://www.tchrd.org/press/2009/pr20090401.html
<ダンゴの農民たちが中国の保安警官に殴打、逮捕される>
ダンゴ地区には新たに大規模な武装警官隊が入ったという。
3月27日耕作命令に従わない農民たちが次々と警官に襲われ僕打され逮捕された。
情報によれば、14人が負傷したが、中の数人は重傷だという。
現在彼らは病院に入院させられているが、家族との面会は一切認められていないという。
農民のうち数人は非人間的殴打により意識不明に陥っている。
カラム村出身の女性ケタルは激しい僕打により精神障害を起こしている。
多くの者は内容の解らない書類にサインを強要されたという。
この中で名前の分かっている者は:
ペマ・ラモ、ヤリ、パルチェン、そしてチュキ。
出身の村はすべてダンゴ地区に含まれる、キャラム、カンマルガン、ドコル、シャルバ、カルチャ、そしてバルダだ。
当局はさらに、逮捕を恐れて逃げたチベット人を追跡しているという。
僧侶の悲劇的な死の記憶がまだ新しい今、地区の農民たちは逮捕や殴打にもかかわらず断固耕作を拒否し続けているという。
ダンゴでは緊張が高まっている。
追い詰められたダンゴ農民の窮状に対しTCHRDは重大な懸念を表明する。
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ダライ・ラマ法王は昨日夕方デリーからダラムサラに帰って来られました。
デリーで3月26日から31日まで行われていた「Thank You India」週間中様々な宗教の人々と一緒に「Peace and Happiness」のために祈った写真が以下で見れます。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)