チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年3月23日
続・続ラギャ事件
TCHRDには今日もラギャ事件に関する様々な情報が入ったようです。
以下要約です。
http://www.tchrd.org/press/2009/pr20090323b.html23日現在、93名の僧侶と2人の一般人が逮捕され、僧院は軍隊と武装警官隊に完全に包囲されているという。
最近ラギャとガルツェ村に配られたパンフレットの中に「中国政府に金で買われるよりチベットとチベットの人々のために死んだ方がましだ」との一節があったという。
他の情報として、「タシは3月10日以降すでに逮捕され拘置所で尋問中様々な拷問を受けており、その結果精神に異常を来し、黄河に飛び込み自殺したのだ。新しく逮捕された僧侶たちも今、厳しい尋問と拷問にあっている」というのもある。
3月21日の午後遅く、タシ・サンポの自殺を知った僧侶たちは直ちに地区の公安(PSB)詰所に押し掛けた。その時2001年3月10日にラギャ僧院の屋上に掲げられながらも公安により引きずり降ろされたチベット国旗を僧侶たちは取り返し、それをタシ・サンポの弟に手渡した。
そのチベット国旗を掲げて、僧侶と一般市民は抗議のスローガンを数時間、街路や政府庁舎の前で叫び続けた。
その内ゴロの公安と武装警官のトップが現場に現れ、公安と武装警官が溢れ、群衆を威嚇した。それにもかかわらず、群衆は国旗を掲げ、「無実のチベット人を殺すのをやめよ!」というスローガンを叫び続けた。
現在、現地の電話、携帯通信、郵便はすべて止められており、外に情報を出すことが非常に困難な状況にある。
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このTCHRDからの写真を見ると、橋はすぐ僧院と町の近くにあります。
泳ぎ渡って逃げれるような河には見えません。
矢印の先、黄河の岸、或いは橋が自殺場所だと説明されています。
今日夕方ダラムサラではこのラギャの事件を受けてキャンドル・ライト・ビジルが行われました。
ツクラカン前のスクリーンに最近政府の発表した、例の凄惨な映像が大写しにされ、
今回のラギャのデモの様子も映されました。
左の地図は、旅行人ノートより拝借した、ラギャ(ラジャ現地ではラプギャ、ラプジャ)コンパ周辺図。
橋の位置が良く解ります。
タシは橋の近く町の拘置所で尋問・拷問を受けていたのでしょう。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)