チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年3月13日
焼身自殺を図った僧侶の両足切断強要
中国当局は焼身自殺を図った僧侶に両足切断を強要。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=24150&article=Monk+who+set+himself+on+fire+asked+to+amputate+legs
左の写真は倒れた僧タベイを保安部隊が囲んでいるところ。C/R Tibet Times.
TCHRD(チベット人権民主センター)に入った情報によれば:
去る2月27日、中国の弾圧に抗議して焼身自殺を図った、四川省アバ県キルティ・ジェパ僧院の僧侶タベイは現在、成都にある秘密の国立病院に収容されている。
情報によれば、僧タベイの母親が面会を許されたという。
しかし、会話を交わすことは許されず、面会はほんの数分だった。
現在、僧タベイは厳戒な監視下に置かれている。
中国の役人が彼の母親に「両足を切断する必要がある」と説明した。
しかし、この両足切断を本人は頑強に拒否しているとも言われた。
この事は目撃者の証言に「僧タベイは三発の発砲音の後に倒れた」というが、これを考え合わせる時、僧タベイは重度の火傷の他に、両足に銃弾を受けた可能性が高いと思われる。
TCHRDは、中国当局がタベイに両足切断を強要する理由は、両足に受けた隠すことのできない銃弾の跡を完全に消しさることにあると考える。
僧タベイの両足強制切断は基本的人権に反する。
もしも、中国当局が彼の足の切断を強制的に行うなら、このことは強い非難に値する行為である。
この状況に鑑み、TCHRDはすべての関係する国際機関、特に国連に対し、強制切断をやめさせ、真実を明かすよう中国政府に働きかけることを要請する。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)