チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年1月16日
デブン僧院僧侶42人に実刑。
TCVの大学計画に関わることになり、このところ数か月から半年に一度、現場視察のために遠く南インドのバンガロールまで足を運んでいるのです。
大学はすでに教育学部の一部が始まっています。学生は今80人、女性生徒60人、男性生徒20人だそうです。
もっとも建設の方はまだまだですが、できたとこから使ってじょじょに学生数を増やす積りでしょう。最終的には2,3千人の大学になる予定です。
TCVのみんながアマ・ラ(お母さん)と呼ぶ法王の妹ジェツン・ペマ女史が数日後に現場に来られます。
そして2月にはダライ・ラマ法王もこの現場に視察に来られるとのこと。
その準備もあって現場は少し緊張気味です。
法王はベナレスの後、ボンディチェリー、チナイ(マドラス)を訪問された
一旦ダラムサラに戻られます。
2月17日、ここを訪問された後南インドのチベット人セトルメントを巡回されセラ僧院でロサ(チベット新年)を祝われ、その後もセラで新しく僧侶、尼僧になる者たち(約千人)への受戒のためそこに3月中旬まで留まられる予定です。
仕事の合間に、ブログ更新です。
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42人のデブン僧院僧侶が刑期を言い渡され、残った者たちの多くも拷問の結果衰弱している。
亡命政府の発表によれば、昨年3月以降の抵抗運動弾圧により現在までに219人のチベット人が死亡し、1294人負傷、5600人が逮捕、拘束された。現在も1000人以上の者が行方不明のままだ。
中国政府中央統一戦線部副長官ズー・ウェイキンは、デブン僧院の宗教活動は円滑に続けられるべきたが、同時に愛国教育の強化により安定した管理体制を整えるべきことを1月8日に行われたデブン僧院管理委員会との会合の席で強調した。
実際、デブン僧院は3月10日以降閉鎖されており、通常の学習と宗教活動は停止されたままだ。
アムド、カム出身の僧侶は全員追放された。中心的教師であったクンチョック・ニマ氏もアムドに帰された。
ラサ出身のデブン僧侶ロプサン・ワンチュック氏は激しい暴行の末、ほぼ失明状態となったことは知られているが、今どの刑務所にいるのかは不明である。
拘束中のトゥルン出身ガワン・ドンダム氏は拷問の結果今ではお椀を手に持つことさえできない状態だという。
内地からの情報によれば、デブン僧院の僧侶42人が2年から15年の刑期を受けた。
ラサ出身の僧侶ガワン・チュニ氏が15年の刑を受け、その他41人の僧侶は名前が判明しているだけで、刑期の詳細は今だ不明。
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拘束者たちは激しい拷問の末解放される。
1月2日チベット自治区カルゼで昨年3月13日にデモを行った一人のチベット人が衰弱した状態で仮釈放された。
カム、カンゼで昨年3月28日、デモに参加したとして自宅よりグル・ドルジェ49歳は逮捕された。4人の子供を抱えた妻シェラップ・ヤンツォはその後精神不安定となり、死亡した。
グル・ドルジェは3年の刑期を受けたが、拷問により衰弱し、ダルツェドの病院に移された。その後病院からも出されることになったが、家には子供しかいないので、同郷の者を保証人として彼は家に帰された。今も病院に行くことができないほどに衰弱したままだという。
妻は何度も面会を乞うたが許されなかった。グル・ドルジェは解放され妻の死を知り深く苦悶の様を見せたという。
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以下中国関係ですが、
<08憲章第10次集計612人、累計7200人を超える >
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/19a2f46d643fcf64d73850b18d14750c
<08憲章>に続く共産党政権に対する第2弾の挑戦状。
<国営テレビ視聴ボイコット宣言 「中国政府の宣伝」と若手知識人>
– MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090113/chn0901132213004-n1.htm
2009.1.13 22:11
【北京=矢板明夫】中国の若手学者、弁護士ら22人が12日、「うそを支持しない」などを理由に、国営中央テレビ(CCTV)の視聴をボイコットする宣言をインターネット上で発表した。国内の多くのサイトに転載され、影響力を拡大している。
宣言はCCTVのニュースや教養番組の内容について「社会の矛盾の表れである暴動事件などを意図的に隠蔽(いんぺい)している」「歴史の真相を歪曲(わいきょく)している」など7つの理由を挙げ、CCTVの報道は「(政府の)宣伝に過ぎない」と結論づけ、視聴者としての感情が傷つけられたとし、これに抗議するため、「今後は一切CCTVを見ない」と宣言した。
新浪など大手のポータルサイトに掲載された宣言はすでに削除されたが、個人のブログなどに少なくとも数万件転載されたため、13日夕になってもネットで全文を検索できる。中国ではすべてのメディアは共産党の宣伝部の厳しい管理下にあり、政府の「喉舌」(のどと舌。代弁者という意味)と位置付けられているが、国内でこのように正面から批判されることは珍しく、多くの人の共感を得ているようだ。ネットに「私もボイコットに参加する」などの書き込みが殺到している。
今回の宣言は昨年末に発表された共産党一党独裁の終結を求める「08憲章」に続き、共産党政権に対する第2弾の挑戦状といえる。「08憲章」に最初に署名した303人は、劉暁波(りゅうぎょうは)氏など当局に監視されている反体制活動家が多かったが、これに対し、今回の22人はメディアなどで論客として活躍している現役の大学教員や弁護士が多く、反体制側の人間はほとんどいないのが特徴だ。批判の矛先も共産党政権ではなく、国営テレビ局のみに向けられているため、一般民衆の支持が得られやすく、ボイコットの動きは広がりそうな雲行きだ。
発起人の一人、北京紙「信報」の元副編集長の凌滄洲(りょうそうしゅう)氏(41)は産経新聞の取材に対し、「報道の自由を求める中国の若手知識人の声をより多くの人に知ってもらいたい」と述べた。
今年は民主化を求める大学生らが弾圧された天安門事件から20周年にあたる節目の年。中国当局は知識人のこうした動きに特に神経をとがらせている。凌氏はすでに北京の公安当局から事情聴取を受けたが、「私たちの行為は憲法で認められている言論の自由の枠を越えていない」と主張したという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)