チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2009年1月7日

監獄で死んで貰っては困るので、、、

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93a07208.jpgチベットの監獄からはいつものように、拷問の末に死を前にした囚人達を家族の下に帰す
監獄で死なれるとまずいので。

VOT(ボイス・オブ・チベット、ラジオ放送局)の伝えるところによると、
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23570&article=China+releases+prisoners+for+fear+of+death+in+custody
中国は最近数名の何れも拘置所、刑務所内での暴行、拷問の結果重体に陥ったチベットの政治犯を解放した。

カム、カンゼのグル・ドルジェ氏は1月1日{正月}、刑期を前に同郷の村人が呼び出され引き取られた。
彼の妻は彼が刑務所にいる間に死亡した。
彼は死を覚悟し、残される二人の子供の面倒を村人が見てくれることを懇願したという。
連絡に依れば、彼はすでに食事をとることができず、非常に衰弱しているという。

12月25日{クリスマス}同じカンゼで21歳の女性リクジン・ラモが重体となって家族の元に帰された。
彼女は3月28日のデモに加わり、その場ですでにひどい暴行を受けていたという。

12月22日にはカンゼのゲツル尼僧院の尼僧二人リンチェンとジャンパ・ドルマが刑期を前に解放された。
しかし二人ともひどく衰弱しているという。
二人は他の二人の尼僧と共に3月22日にデモの末逮捕されている。

解放された話ではなく刑期を受けた話として。
セタのラル尼僧院の尼僧ドルマ・ヤンツェはカンゼで行われた8月10日のデモの最中武装警官隊の銃撃を受け重傷を負っていたが、このほど家族は彼女が二年の刑期を言い渡されたとの通知を受け取った。

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亡命チベット人の生活を大いに助けている、冬のセーター売り。
ダラムサラからも大勢のチベット人達が今年もインド各地の路上マーケットに散って行きました。
そんなマーケーットの一つがまたも火災に襲われました。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23561&article=13+Tibetan+Shops+Gutted+in+Andhra+Pradesh

アンドラ・プラデッシュ州のあるマーケーットで13軒の仮設小屋が全焼したそうです。
今年で二件目とのこと。

ウエブでは被災者への募金を募っています。

保険なんてないから。

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昨日「中国は新疆ウイグル地区で1300人の政治犯を逮捕した」とBBCが伝えていました。

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イスラエルは昨日はパレスチナ人が避難所にしていたUNの学校を二校砲撃し少なくとも40人を殺した。

今日までに5台の救急車が銃撃を受けたり、砲撃を受けたという。

この事などちゃんと運転手が証言してたりする。やはり現場にレポーターがいると違うな!と、チベットのことを思い出し、変にうらやましいと思ったりして、、、
不謹慎ですが。(もしも今度大きなことを起こす前にはちゃんとレポーターの用意が必衰と感じました<でも、どうやって!?>)

それにしても、
逃げる場所を与えずまとめて死の恐怖を与える。
それを平気で正当化するのは、どこかガス室の記憶と関係あるのか?

ここのところは中国がよく言うところの、「人権を武器に使うとはけしからん。自分たちが昔、中国や他の国に何やったか覚えていないのか?お前らにそんなこと言う権利はない」というのと似ています。
この場合少なくともやってることは認めてるわけです。

チベット人と中国人はここ1500年間ほとんど人種的に交ることなく別々に暮らしてきた。ユダヤ人とパレスチナ人はもとをただせば2500年前から同じ地域に暮らしていて人種的に区別するのは難しい。その後はユダヤ人ほど混血の激しい人種もないぐらいとくにヨーローッパで混血した。今イスラエルに600万人、アメリカに550万人、全世界に1千4,5百万人いるそうだ。ナチが其の当時ユダヤ人の半分以上600万人を殺戮した。

ユダヤ教はセックスを否定的に見ないので子供はたくさん生まれる。
この事情はパレスチナ人にはもっと顕著で今のガザの40%は10歳以下の子供という。
世界の援助で食いつなぎUNの学校に通う。
今回の空爆、戦争、家族の死の記憶は多くの子供たちの記憶に強烈なものとして長く残るであろう。

イスラエルの子供たちは徹底したカウンセリングにより精神障害はほぼ克服されているというBBCのレポートがさっき流れた。

そこで思い出したことがある、数年まえイスラエル人の精神カウンセラーが訪ねて来て9-10-3のメンバーの拷問後遺症の治療を手伝いたいと言って来た。
聞けばそのノウハウは詳細を極めており、すべて戦争経験に裏打ちされた、実証された治療法だとの説明をうけた。
お互い捕虜を拷問するそうだ。

「残念ながらうち(チベット)ではチベット的・仏教的治療法で間に合ってて、十分効果してるから手伝いはきっと要らないだろう。でも何人かに試してみるのはいいかもしれない」と答えた。

チベット人は兵士を作らず、僧侶ばかりが増えた。
自然に人口はそれほど増えなかった。

憎しみを増産せず、慈悲を説き続けた。

テストステロンを刺激せず、どちらかと言えばエストロゲンを社会に増やすことに努めたと言えようか。

博打と暴力のテストステロン社会、今年はしっかり反省してほしい。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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